海外メディアVRFocusは、2017年2月27日の記事において、VIVE対応ワイヤレスキット「Wirelss VR」を紹介した。
同メディアによると、2017年2月27日から3月2日までスペイン・バルセロナで開催中のMWC(Mobile World Congress)2017において、デバイスメーカーDisplayLinkはVIVE対応ワイヤレスキット「Wireless VR」を出品している。
同キットは、VIVEに装着すると同VRヘッドセットをワイヤレスで使用することができるものだ。ワイヤレスキット使用に際して気になるのは遅延時間=レイテンシーであるが、同キットの公式ページによると「2〜3ミリ秒」とされており、使用時に気になるような遅延は発生しないようだ。
ユーザーの激しいアクションによっても通信不良は発生しないようで、同キットのデモ動画では、ユーザーがバック転しても大丈夫なシーンを見ることができる。
同キットに関して、同社幹部のJohn Cumminsは以下のように述べている。
VRは視覚的な没入体験に新たな章をもたらしました。しかし、その章にはケーブル接続や遅延時間、通信帯域といった制限がありました。
私たちは、独自の解決策によって、そうしたVRの制限を大きく変えたのです。
以上のような同キットには、すでに世界リリースが決定しているVIVE公式ワイヤレスキット「TPCAST」という強力な競合製品がある。同キット公式ページに記載されている仕様とTPCASTのそれを比較すると、遅延時間・バッテリー駆動時間ともあまり変わらない。
性能的に大差ないのであれば、問題となるのは価格とリリース日だ。TPCASTに関しては、本メディアで以前に報じたようにリリース時期が2017年第2四半期で、価格は$249(約¥28,000)だ。
対してWireless VRは、公式ページによるとリリース時期が2017年後半とされ、価格はまだ不明だ。
Wireless VRがTPCASTに市場的な勝利を収めるためには、TPCASTより低価格を実現することが必要なようだ。もしかしたら、TPCASTをリリース後すぐに購入するのは、コスト面から見ると賢くないのかも知れない。
VIVE対応ワイヤレスキット「Wirelss VR」を紹介したVRFocusの記事
https://www.vrfocus.com/2017/02/displaylink-announce-ultra-low-latency-wireless-vr-device/
Wireless VR公式ページ
http://www.displaylink.com/vr
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