うっかり置き場所を忘れてしまいがちなアイテムを追跡可能にする、Pixieがアメリカで発売された。まだ日本からは購入できないが、国際配送も予定されているという。
人はものを失くす
外出するときになって、家の鍵や車の鍵が見つからないという経験をしたことがある読者は多いのではないだろうか。それが原因で約束の時間や始業時間に遅れたこともあるかもしれない。テレビのリモコンや財布を置いた場所を忘れた経験もあるはずだ。
恥じることではない。人間は忘れる生き物なので、仕方がない。
実に4分の1の人が、週に2回も鍵を探している。半数の人はそのために仕事や学校に遅刻したことまであるようだ。ものを失くすのはよくあることだが、厄介な問題なのは間違いない。
探す技術
テクノロジーは、失くしたものを探すときにも役に立つ。スマートウォッチやフィットネストラッカーをスマートフォンとペアリングしておけば、Bluetoothでの接続が途切れたときにバイブレーションやLEDの点滅で知らせてくれる。
Bluetoothで通信するストラップを取り付ければ、鍵や傘を忘れないようにすることもできる。こういった方法は落とし物を防ぐ役に立つが、すでに行方不明になったものを探すときにはあまり使えない。せいぜい音で方向の検討をつけるくらいしかできないからだ。
Pixie
Pixieは、失くしてしまいがちなものに”Pixie Points”または単に”Pixies”と呼ばれる小型の装置を取り付けて使用する。Pixieポイントをアプリ(現時点ではiOS用のみ、2017年後半にAndroid版提供予定)で探して、失くしものを見つけるシステムだ。
これだけ聞くと、Bluetoothタグを鍵に付けるのとそう変わらないように思える。しかし、Pixieにはこれまでにない特長がある。
三角測量による場所の特定
三角測量という測量方法を聞いたことがあるだろうか。詳細は省くが、おそらくこの原理を利用したことのない読者はいない。なぜなら、GPSによる測位も三角測量に基いているからだ。
実はPixieポイントはアプリと通信するだけではない。ポイントが相互に通信を続けている。お互いの位置関係を把握することで、特定のポイントがある場所を見つけ出すのだ。
この方法の特長として、Pixieポイントが多くなれば位置情報が正確になることが挙げられる。通信が密になるので、それだけ精度が上がるためだ。最大で7つのポイントとペアリングできる。
探す
Pixieポイントを取り付けたアイテムを最も遠くから探すには、パノラマスキャンを行う。ポイント同士で通信を行い、探しているポイントの方向と距離を特定する。屋内で15m、開けた屋外ならば45m程度の距離まで通信が可能だ。
アイテムが遠すぎる場合、最後に確認できた位置情報が表示される。どこかに落としてしまったものも、この方法で探し出す。
近づく
探しているポイントがある場所が分かったら、近くに移動する。レーダーのように距離と方向を表示する画面を利用するか、ARで方向を示す画面を見ることもできる。
上記の画像では、机の上に置かれた財布の周辺にマーカーが表示されている。通信可能な範囲であれば、引き出しの中や隣の部屋にあるものでも方向を示すことが可能だ。
見つける
探しているポイントから2mほどの距離まで近づくと、Pixieアプリは金属探知機のように使える。この機能で失くしたものを見つけ出せるだろう。
価格
Pixieは二つまたは四つのPixieポイントがセットになったパック単位で購入できる。現在はiPhone 6または7の専用ケース(チャコールグレー/ホワイト)が無料で付属するという。この特別オファーの終了日時は明記されていない。
2パックキット(49.99ドル)
パックには二つのPixieポイントが含まれる。スマートフォンまたはタブレット用に一つ、アイテム用に一つだ。Pixieポイント自体は同じものなので、既にPixieを所有しているユーザが探せるアイテムを二つ追加することもできる。
ポイントを曲面やキーリングに取り付けるためのオプション品も付属する。これは下の4パックキットも同様だが、4パックキットの方がオプション品の量が多い。
日本からは購入できないが、現在のレートだと5,700円強になる。使い勝手を試すにはちょうどよいが、三角測量ができないのでPixieの能力を最大限に発揮できないかもしれない。
4パックキット(99.99ドル)
パックには四つのPixieポイントが含まれる。ポイントの数が多いため、三角測量によって追跡がより正確になるはずだ。このパックを二つ購入すると、端末用+七つのポイントで最大の追跡精度となる。こちらのパックでは、必ず4色のポイントが含まれている。
失くしものが多い人や、複数のガジェットを持ち歩く人も安心だ。価格は約11,000円と少々高め。
Pixieの実際
日本では利用できないので、検索精度については不明だ。まだ発売から日が浅いということもあってか、利用している個人の感想は見つけることができなかった(Pixie Pointというシンプルな名前のために、関係のない情報がヒットするのも理由だが)。
Pixieポイントは小さいが、少々分厚い。ちょうどギターのピックを一回り大きくして厚みを増したような形状だ。防水性があって気軽に扱えるところは評価できる。
問題になりそうなのは、スマートフォンやタブレット端末の側にもPixieポイントを取り付けなくてはいけないことだろうか。ZDNetのレビューでも、その点に触れている。限定オファーのiPhoneケースを使う方法もあるが、不格好なのには変わりがない。
下の紹介動画にあるような使い方に興味があるなら、国際販売の開始を待とう。
このPixie、実は予約販売のときは日本からも注文できそうだった。案外早く購入できるようになるのかもしれない。
参照元サイト名:Pixie公式サイト
URL:https://www.getpixie.com/
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