海外メディアRoadtoVRは、2017年1月3日の記事において、Asus製スマホ「Zenfone AR」のリーク情報を紹介した。
同メディアは、世界最大の家電見本市であるCES2017に出品予定のAsus製スマホ「Zenfone AR」の仕様に関して、海外メディアGSMArenaがリークした情報を伝えている。
Zenfone ARの仕様
「Zenfone AR」は、VRInsideの以前の記事で報じたように、AsusがCES2017での出品を目指して開発されたTango &Daydream Readyスマホである。
同スマホは、Android OSがベースとなっているので、外見は上の画像で確かめられるように一般的なAndroidスマホと大差はない。
同メディアが伝えるところによると、同スマホに実装されているプロセッサはQualcomm製モバイル用プロセッサの最上位モデルSnapdragon 821である。
そして、内蔵加速度センサーが検知する位置情報はARシステムであるTangoとVRシステムであるDaydreamの両方に共有されるようになっている。
さらに詳細な仕様に関してはリークされていないので、実際にCES2017で発表された情報から確かめるのが良いだろう。
「Tango &Daydream Ready」であることの真の意味
同デバイスが世界初のTango &Daydream Readyスマホとなるのだが、その革新性とはまずはARアプリとVRアプリの両方を同一のデバイスで使えることが挙げられる。
昨年リリースされたDaydreamに対応したアプリは爆発的に増えることが予想され、Tango対応アプリも徐々にその数を増やしていくだろう。
しかし、Tango &Daydream Readyであることの真の意味は、このふたつのシステムを実装することによって、Inside-Out型のルームスケール・モバイルVRヘッドセットが可能となることだ。
「Inside-Out型のルームスケール・モバイルVRヘッドセット」とは、外部トラッキングセンサーを必要としないルームスケールに対応したモバイル型VRヘッドセットを意味する。つまり、スマホとVRヘッドセットだけを使ってOculus RiftやVIVEのようなユーザーのカラダの動きが反映されるVRコンテンツが楽しめるのだ。こうしたことが可能となるのは、Tangoの空間把握機能がちょうど外部トラッキングセンサーの役目を果たすことができるからだ。
ただ、Zenfone ARは「ルームスケール・モバイルVRヘッドセット」とはならないだろう。というのも、TangoとDaydreamを同時に処理する能力は、同デバイスのプロセッサにはないからだ。しかしながら、近い将来、同デバイスの後継機種がTango &Daydreamであることの真の威力を発揮することは多いに期待できる。
ちなみに、CES2017では、VRInsideでも紹介した「Outside-In型のルームスケール・モバイルVRヘッドセット」を可能とするモバイル型VRヘッドセット対応とラッキングシステム「NOLO MOtion Tracking System」も発表され、さらにはARとVRの実装を前提としているQualcomm製最新モバイル型プロセッサ「Snapdragon 835」も登場する。
2017年は、モバイル型VRヘッドセットがハイエンド型VRヘッドセットに接近することがトレンドのひとつとなるかも知れない。
Asus製スマホ「Zenfone AR」のリーク情報を紹介したRoadtoVRの記事
http://www.roadtovr.com/new-asus-zenfone-ar-daydream-vr-tango-certified-snapdragon-835-ces-2017/
上記記事のリーク情報源となった海外メディアGSMArenaの記事
http://www.gsmarena.com/qualcomm_accidentally_reveals_asus_zenfone_ar_snapdragon_821powered_both_tangoenabled_and_daydreamre-news-22485.php
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