スタートアップのAxonVRは、同社プレスリリースを通して、触覚制御システム開発のための資金調達に成功したことを伝えた。
現在のVRヘッドセットは、主に視覚と聴覚に強く作用する一方で、触覚に対しては貧弱なインタラクションしか実現できていない。VIVEコントローラーとOculus Touchを試してみても、せいぜい3次元的な座標軸をもつVR空間における「ポインティング・デバイス」的に使える程度である。リアルな世界における触覚が体験している物体の質感、重みといったものを再現できていなのが現状なのだ。
スタートアップのAxonVRは、触覚における圧力(触った時に感じる重みと肌ざわり)を再現するVR触覚テクノロジー「HaptX」をリリースするために必要な開発費に関する出資を募り、580万ドル(約6億8000万円)の資金調達に成功した。
「HaptX」は、多数のアクチュエーター(モーターのようなもの)を使って、手に圧力を伝える。このアクチュエーターは、圧力だけではなく、熱を発生させることもできる。つまり、「熱さ」も再現できるのだ(上の動画を参照)。
海外メディアUploadVRは同社のCEOであるJake Rubinを取材し、取材時の同氏の発言を2016年12月18日の記事で伝えている。
同氏によると、HaptXは来年にはリリースする予定であり、はじめは企業向けに出荷して、トレーニング・マシンやシミュレーション、さらにはゲームセンターのような娯楽施設で使われることを想定している。触覚テクノロジーの普及に関しては、同氏は以下のように発言した。
「一般消費者は、VR触覚テクノロジーをまずはじめにテーマパーク、ゲームセンターのような娯楽施設で体験するでしょう。そして、現在から2〜3年後には(触覚テクノロジーの娯楽施設における普及を経て)一般家庭に入ってくるでしょう。」
また同氏は、VR触覚テクノロジーは娯楽だけではなく、製造業にも応用されることを予想している。
実のところ、VR触覚テクノロジーの開発はAxonVRに限らず、多くのスタートアップがチャレンジしている。メインストリームに躍り出るVR触覚テクノロジーが何であるかが判明するのは、だいたい2〜3年後以内、早ければ来年にはその趨勢が決しているかも知れない。
触覚制御システム「HaptX」開発のための資金調達に成功したことを伝えるAxonVRのプレスリリース
http://axonvr.com/blog/press-release-seed-announcement
AxonVRのCEOであるJake Rubinを取材したUPloadVRの記事
http://uploadvr.com/axonvr-haptics-haptx-funding-touch-feedback/
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