キヤノンのカメラとレンズをVRでお試しできるアプリが公式リリース

2016年11月26日 16:07:00
テクノロジー
VR Inside

カメラやレンズを選ぶのは、難しいことだ。その価格を考えると、ときには恐ろしいとさえ言えるほどだ。キヤノンはVRの力でそれを少しだけ簡単にした。

この一年を通じて、VRはただのゲーム機ではないと証明されつつある。Oculus RiftとHTC Viveは医学・心理学やアート・デザインといった驚くほど広い分野で使われている。VRで見出された創造性に溢れるアプリケーションは素晴らしい。カメラ界の巨人たるキヤノンもそのポテンシャルに注目した企業である。同社は、Oculus Riftでカメラとレンズを「お試し」できるアプリをリリースしている。

キヤノンVRカメラ

（予想通り）正式にCamera Simulator by Canon Labsと題されたアプリはOculus Riftに無料で提供されている。このアプリは、三つの異なるカメラ（Canon EOS 5D Mk3、Canon EOS 1D X、Canon EOS 70D）と、互換性のある三種類のレンズ（the reliable 24-105mm f/4、the classic 50mm f/1.4、the beastly 70-200m f/2.8）を試すことができる。IOS、露出、絞り値といった設定を自由に変更した上で仮想の風景を被写体として新たな写真を撮影する。素早く、シンプルで、直感的に使用できるのが特徴となっている。このアプリは、以下のように説明されている。

キヤノンのカメラとレンズを使って、仮想環境で高品質な写真を撮ることができます。完璧な写真を撮るために、プロのようにマニュアル設定を調整することができます。独自の仕様を持つ三つのカメラとレンズをそれぞれ選び、組み合わせます。様々な場所に移動し、カメラの角度や傾きを調整してして完璧な一枚を作りましょう。ISO、シャッタースピード、絞り値の三つを操作して創造性を開発しましょう。デスクトップ上に、露出、モーションブラー、被写界深度が適切に再現されたフルHDの画像を表示できます。

レンズを選択

カメラを選択

設定を行う

これは商品を広告するための素晴らしい試みだ。購入を考えているときに、好きなカメラやレンズを試してみることができる。それだけではない。技術を上達させ、同時に機器についても学ぶことができる。Oculusのアプリケーションには各機器の完全な仕様や価格情報が含まれている。さらには、アプリ内で機器を購入するオプションまで用意されているのだ。

キヤノンは、製品を販売するための全く新しい未知を切り拓いた。今後、数多くの大企業が追随するだろう。ホームセンターの王者といえるロウズは、購入前に家具を配置したイメージを試せるARアプリでこの世界に参戦している。

アマチュア写真家である筆者は、ニコンが同様のアプリをリリースすることを期待しているという。