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ポストモーテムVR #04 今知りたい! VR展示のノウハウ レポート


2016年11月14日に渋谷TECH LAB PAAKにて開催された、ポストモーテムVR #04 今知りたい! VR展示のノウハウに参加してきたので、レポートしたいと思います。


ポストモーテムVRとは?


「ポストモーテムVR」はVR業界のコンテンツの質を引き上げるために毎月1回、昨今のVRムーブメントを初期からレポートしてきたVR・パノラマ系メディア「PANORA」さんが企画したイベントで、今回は4回目の開催になります。


今回のテーマは4回目ということで、VR展示について。


最近はVRのアミューズメントスペースや、いろいろなイベントでの出展も増えているので、参考になる方も多いと思います。


写真は司会進行をしていたPANORAの広田さん。


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会場は渋谷にあるTECH LAB PAAK。


写真は開始前の写真ですが、沢山の人がセミナーに参加しておりました。


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HTC Viveイベント展示のコツ


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まずはHTC Viveイベント展示のコツという事で、サードウェーブデジノスの林田奈美さん。


普段はドスパラ販売のPCの企画開発担当をしていいらっしゃる方で、HTC Viveイベント展示におけるコツを、ノウハウが少なかった状態で手探りで始めっていた事例からグリーンバック合成の大規模展示までお話を聞かせていただきました。


HTC Viveの初設置の注意点


HTC Viveの展示はとにかく初期セットアップで使う物が多く、ベースステーションを設置する2mの三脚探しなども最初は困難を極めたようで、インターネットやSNSから情報収集した物も多かったそうです。


HTC Viveは電源を多く使用するため、設置場所の電源の数に注意して、タップを多く用意することが大事で、スペースを広く使う特性上、延長電源系のケーブルも6m以上のとにかく長い物を使ったほうが良いとのこと。


ゲーム用クライアントであるSteamもセキュリティの都合上、プロキシサーバーからの接続を遮断したりと、なかなか初期の設置は戸惑うことが多かったそうです。


チュートリアルが立ち上がった時は感動を覚えたとお話されていました。


実際の会場の展示で困ったこと


実際の展示するときに困ったことを幾つかお話していただきました。



  • 場所がない:前述の通り、ただでさえ場所をとるHTC Viveの展示では、展示ブースが狭くて設置ができない事もよくあるケース。事前に部屋をひとつ借りるぐらいの勢いでお願いしておいたほうが良いそうです。

  • 電源の口がない:こちらも前述の通り、設置場所が広くても電源が2口しか取れない何てことがるので、電源を分けるタップは必須。

  • 機材が合わない:これは隣のブースで起こったことだそうですが、ベースステーションを載せている三脚が1.5mのものを使っていてHMDがエリアの外として認識してしまうことがあったようです。調整できる雲台も合わせて準備しましょう。

  • 部屋が鏡張りだった:展示に広い部屋を借りたものの、そこがダンススタジオのような一面鏡張りだったケースがあったそうです。ベースステーションの赤外線レーザー光は鏡で反射してしまうため、うまく動作ができなかったそうですが、普段は使用しないリンクケーブルというものでベースステーションをつなげたらうまく行ったようです。


大規模開場での設置ノウハウ


実際のイベント設置で大事なのは、設営のイベント業者さんを変えないことが重要で、業者さんの現場担当を毎回同じ方にお願いすることによって、業者さんとノウハウを構築できる環境を作ることが大事だそうです。


同じ業者さんの同じ担当の方なら、失敗したとしてもそれがノウハウとなって蓄積されるので、良い試みですね。



  • グリーンバック合成に関しては、PD トウキョウ という業者さんに入っていただき、外部にお任せ。

  • グリーンバック合成を自前でやりたければ、VRが動く+キャプチャの負担がかかるので、高性能のPCが必要。グラフィックボードはハイエンドなものを。

  • グリーンバック合成用アプリケーションに関しては、無償のものでもいける。

  • 大きいブースを立て込むときに、動きが多いものは、HMDのコードは天井に吊る。

  • ベースステーションの干渉問題は壁を作るだけでは解決しない場合もある。


細かいTIPS


その他紹介していただいた細かいTIPSは以下の通り。



  • 丸1日展示などではコントローラーの電池切れ問題を考慮して、予備を準備しておくこと。

  • セットアップは事前に全部済ませて、ネットには繋がない。

  • 運営上の安全面を考慮して、シャペロン境界と物理的な壁の距離は、距離を必ずとる。

  • HMDを被っていただくときにはかならず座ってもらう。

  • コンテンツの説明は体験前に行う。

  • VR空間でも、人はあまり後ろは見ないので、それを考慮したコンテンツを作るのが良い。

  • 女子は頭が小さい問題男性の標準サイズをベースに作られているので、女性の頭にはHMDが小さすぎるパターンもよくある。


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最後にお話されていた、グリーンバック合成のコスプレVRイベントを開催したときに、仮面ライダーのコスプレをした方の胸の部分が消えてしまっていて、さらには本格的なライダーマスクを付けてままではVRゴーグルをかぶれなかったので、大きいマスクのコスプレは注意というエピソードでは開場に笑いが起きておりました。


 


 


VR ZONE Project i Can:気持ちよく遊んでいただく 運用術


続いてはお台場で人気を博したアミューズメント施設「VR ZONE Project i Can」の仕掛け人である、バンダイナムコエンターテインメント、小山順一朗さん、田宮幸春さんと、進行にPANORAの広田さんを加え3人で「VR ZONE Project i Can:気持ちよく遊んでいただく 運用術」のお話です。


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「VR ZONE Project i Can」は三ヶ月で37,000人を動員したとのこと。


周りがアパレルフロアだったので、向かいのショップの方から、VRをプレイするお客さんの叫び声を聞いて、「あの叫び声なんですか?」と聞かれたエピソードも。


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写真左:田宮幸春さん 写真右:小山順一朗さん


Q1.どういった流れで、お客さんをアテンドしていた?


「VR ZONE Project i Can」は事前予約制、制限時間制、個別料金制という他に類をみない運営スタンスです。


制限をかける事によって、遊んでやろうという気持ちになる。


動画によるプロモーションを含め、事前にお客さんの気持ちを作っていくスタイルで運営をしていたそうです。


人気があっただけあって、アミューズメントスペースとして色々な部分をしっかり考えて作られている(臨機応変にアップデートされている)なと感じました。


Q2.HTC viveの混戦問題はどう解決した?


やはり「VR ZONE Project i Can」でも赤外線レーザー光の反射の問題での混戦に悩まされていたそうですが、田宮さんいわく混戦してしまうには何処かに原因があるのでそれをひとつひとつ潰していけば解決できるとのこと。


「不具合が起きるのは、呪いとかではない、隣のブースのせいにしない」というセリフは開場に笑いが起きていて印象的でしたね。


ニコニコ超会議などでは予め図面をチェックして、他ブースのベースステーションの置き方をお願いしたりとかなり地道に混戦問題に向き合っていたようです。


Q3.装着性の問題はどう解決した?


アミューズメントスペースということで、利用者が多い分装着性で悩まされる部分は多かったそうです。



  • 衛生面(汗、匂い)

  • おしゃれが崩れる(髪型、化粧)

  • メガネ (入れない、壊れる)

  • 見える見えない(ズレ)


衛生面に関してはVRカバーやニンジャマスクの使用、髪型は事前アナウンスで対応、お団子の人はどうしてもおろしてもらわないと装着ができない、メガネは一応入る様になっているが、時には入らない眼鏡の人も居たそうです。


瞳孔間距離はVRZONEでは固定運用で運営していたそうです。


Q4.安全性の問題はどう解決した


多くの人が体験した「VR ZONE Project i Can」では、安全>快適>楽しさ>回転率の順番で常に営業しながら改良を重ねていったようです。


急滑降体感機スキーロデオのアクティビティでは、ジャンプや落下で驚いた瞬間にバーから手を離してしまう人がいる。


これは反射的に動いてしまうからしかたがことなので、バーにベルトを付けることで対応したそうです。


極限度胸試し高所恐怖SHOWでは、猫を救出した後に、ダッシュで戻って、本当は存在しないオブジェクトに寄りかかろうとして転倒してしまう危険性があったので、そこは人力で支えに入るというアナログな方法も。


肉体的な破損だけでなく、ホラー実体験室脱出病棟Ω(オメガ)では精神的な破損をかみして、ギブアップボタンをつけたりと、アクティビティそれぞれに起きる、ヒヤリハット事例を運営しながら改善をすすめたんですね。


Q5.スタッフはどう育てていった?


本来ゲームというのは一人でできることを大前提として作りますが、今回はその部分を全てスタッフに預けたそうで、その結果想定外のいいことが起きたそうです。


VRというアミューズメント施設の性質上、ここまでお客さんが感情をあらわにする現場はないので、良いリアクションもらえたスタッフたちは、嬉しくなり、自然発生的に改良や提案を自発的に行うようになったそうです。


自然とスタッフが演者となることで、SNSでそれが話題となり、いい循環が回り、やりがいを感じることができる。


これは本当にVRが感動を与える良い循環だなと感じました。


 


以上で今回のレポートは終了です。



 


次回開催予定は下記の通り。


興味のある方は是非参加してみてください。


ポストモーテム VR #05「360度カメラについて(予定)」


日時:12月9日(金)


会場:TECH LAB PAAK(東京都渋谷区神南1-20-9 *Apple Store Shibuyaと同じビルです)


チケット:一般・学生 3000円、TECH LAB PAAK会員:2000円


主催:PANORA 協賛:TECH LAB PAAK 機材協力:G-Tune 12月9日(金)


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