海外メディアRoadtoVRは、2016年11月13日の記事において、SteamVRがMax OSXとLinuxに対応することを報じた。
現在、PCに接続することが求められるVRヘッドセットにはOculusRiftとHTC社のVIVEがあるのだが、そのどちらもwindows PCのみに対応している。
こうしたなか、世界最大級のゲーム・プラットフォームSteamを運営しているValveは、同社がVRゲームを提供するために開発したシステムであるSteamVRを、WindowsのみならずMac OSXとLinuxにも対応することを発表した。
上記の発表は、先月アメリカ・シアトルで行われたValve社主催の開発者カンファレンスSteam Dev Daysにおいて、同社のJoe Ludwigによるプレゼンテーションで明らかになった(下の動画を参照。17分あたりにSteamVRをLinuxで動作させたスクリーンショットを紹介している)。
同氏によると、SteamVRのユーザーフィードバックをまとめたところ、やはりWindows以外のPC OSにも対応して欲しいという要望が多いこと、さらにはWindows以外のOSにも対応することが長期的なメリットを生むという判断から、現在、SteamVR for Mac OSXおよびfor Linuxを開発しており、それぞれのベータ版が数ヶ月以内にリリースされる、とのこと。
もっとも、SteamVRがMac OSXとLinuxに対応することから、直ちにSteamが配信するVRコンテンツがMacやLinuxでプレイできるようになることを意味しているわけではなく、さらにそれぞれのOSに対応したVRコンテンツを開発する必要がある。
現在Steamから配信されているVRコンテンツには、Windows PCに実装されたグラフィック技術であるDirectX APIを使っているのだが、この技術はWindowsのみに実装されたAPIである。
Mac OSXやLinuxでWindowsと同様のVRコンテンツを開発する場合は、オープンソースのグラフィック技術であるOpenGL、あるいはOpen GLの後継技術であるVulkanを使わなければならないのだが、こうしたVRコンテンツは現時点ではほとんどない。
多数のOSに対応したVRコンテンツを開発することは確かに開発者にとって大きな負担ではあるが、ValveのJoe Ludwigが言うように、その負担を補って余るほどのメリットが見込めることから、来年にはMacやLinuxでもVRコンテンツが楽しめる日が来るのではなかろうか。
参照元URL:http://www.roadtovr.com/steamvr-to-get-linux-and-mac-osx-support-in-a-few-months/
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