PlayStation®VR参入メーカーにインタビューする本企画、4回目はスマートフォンゲームの開発・運営、オンラインカジノ関連のコンテンツ制作を行っているソリッドスフィア株式会社。
他では聞けないデベロッパーならではの生々しい悩みやVR事業に関する今後の展望について、代表取締役 小島圭介氏にお話を伺ってきた。
体験したい!気持ち一つで参入表明
—-VR市場に参入するキッカケを何ですか?
小島氏: まず初めからVRが日本で普及するならPlayStation®VR(以下、PSVR)だと考えていました。
ハイエンドPCが普及していない日本でマスにリーチする点を考えたらPS4をプラットフォームとするPSVRしかないと。
決定的だったのが、昨年の東京ゲームショー(以下、TGS)でPSVRを体験しようと午前中から張り切って向かったのですが、VRブースは大混雑な上、すでに予約待ち。多くの人が新たな体験を欲しているんだなと感じました。
ただ、参入を決めた最大の理由は「デバイスのクオリティを自分で体験したかった」からです。TGSで体験できないのがとても悔しくSIE社の担当者の方に連絡してぜひ、参入したいと伝えました(笑)
—-Oculus RiftやHTC Viveなどの選択肢はなかったのですか?
小島氏:正直、値段的にPC系の普及は厳しいかなと感じています。
コンテンツ制作面で見ても、どこもVR領域への投資に積極的ではないため、コストも掛けられず制作も厳しいですよね。
—-開発にあたって特に苦労される点はその辺ですか?
小島氏:資金調達の部分は厳しいですね。この記事を見たパブリッシャーの方は、弊社にお仕事の話もってきてもらえると嬉しいです(笑)
話を戻すと日本は海外に比べ、VR領域への投資が圧倒的に少ないです。日本のVCなどにも打診してみたのですが、先行き不透明な業界には投資できないと首を縦に振ってくれませんでした。
やはり市場の可能性だけで、投資してくれる先はなかなか見つからないため、自ずとコスト面をある程度抑えたコンテンツ制作を行う流れになるんですよね。
—-コンテンツの方向性は決まっていますか?
小島氏:大枠は決まっていますが、先ほど申し上げた通り、コスト面とあとは期間の問題ですね。
どうせならPSVRのローンチ時にコンテンツも投入したいので。
諸々の問題を総合的に考えると海外のデベロッパーなどが制作しているような壮大な大作系ではなく、完全にゲリラ戦術的なコンテンツを考えています。
そこまで強烈に斬新なアイディア!という訳ではないですが(笑)
まずはVR自体を体験してもらう、キッカケになるようなコンテンツが作れればいいと思っています。
今、参入することに意味がある
—-PSVRローンチ時を目指す理由はなぜですか?
小島氏:逆にローンチ時に参入しないのが不思議でしょうがないです。
このタイミングで参入できればVR Insideさんを始め、様々なメディアの方に取り上げていただけるし、プロモーション費を捻出できない私たちなどは無償で販促ができ、非常に費用対効果が高いと思います。
だからこそ、ローンチ時にコンテンツを投入すべきだと感じています。
—-なるほど。開発は何名体制で開発されていますか?
小島氏:社内は10数名ですがVRに関わっているのは数名ですね。専任はいなく他の業務を兼務してもらっていますが、VR業務を重めにお願いしています。
—-酔い対策はどうされていますか?
小島氏:私が激酔いするので自分で実験台になりながら検証しています(笑)
私が酔わなければほぼ大丈夫だと確信しているので、身を削りながら必死にデバッグしています・・・。まだまだ時間があるので、酔いながら頑張ります。
身を粉にしながら代表自らデバッグに励むソリッドスフィア。デベロッパーならではの資金面での苦労や本音が垣間見えたインタビューになった。PSVRリリースまで残り約半年。ぜひ、他のコンテンツとは違う”ゲリラ的ゲーム”を開発していただき、アイディア次第でいくらでも広がる、という実績を見せてほしいと切に願っている。
公式HP:http://s-sphere.jp/
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