凸版印刷株式会社は、現実空間を仮想空間へ正確に取り込み、その中で商談や協調作業などのビジネスコミュニケーションが可能なメタバースサービス基盤「MiraVerse(ミラバース)」を、2022年4月から提供を開始することを発表しました。
「MiraVerse」とは?
「MiraVerse」は、メタバース内に現実空間に存在する色や質感を忠実に再現する真正性の追求するだけでなく、ビジネス利用に必要となる様々な構成要素のデータ管理や安全性まで確保したサービス基盤です。
再現からコミュニケーションまでワンストップで提供
同サービスでは
・色や質感を忠実に再現
・データ管理機能 / 改ざん防止対策
・アバターの本人認証
・安全なコミュニケーション
をワンストップで提供しています。
サービス開発の背景
「メタバース」は、時間や空間の制約を超えた新たなコミュニケーションフィールドとして注目を集めており、エンターテイメントや観光業などの利用は増えているものの、ビジネスや産業用途では情報の管理やセキュリティの面から、まだ課題が多く活用が進んでいない現状があります。
凸版印刷社では、これまでに培ってきた高精細な画像データ処理や、形状を正確にデジタル化する3D計測などの先端表現技術を核に、正確な空間再現を実現することが可能な技術を持っており、こういった背景からこれらの技術に加えて、クラウド上で管理された構成要素をユーザーが自由に組み合わせ、フォトリアルな3D空間を生成できるシステムが新たに開発されました。
このシステムにより、これまで専門性が必要とされたメタバースのワールドを、誰でも簡単に構築することができるようになっています。
さらに、本人認証を組み合わせたセキュアなアバターコミュニケーションとオリジナルの高精細・低遅延リアルタイムレンダリング機能を組み合わせたサービス基盤が、「MiraVerse」として提供されています。
「MiraVerse」の3つの特長
リアリティ感あふれるメタバース
ここでは、凸版印刷社の技術を用いて建物や製品・アートや自然など、あらゆるものを設計図や3D計測・色彩計測などを用いて正確に3Dデータ化することができます。
4K/8Kの高精細・低遅延なオリジナルレンダリングエンジンとの組み合わせで、真正性を追求したメタバース空間を構築することが可能です。
さらにインテリアなどでは質感計測技術を用いることで、その風合いまでも忠実に再現することができ、あたかもその場にいるかのような高い臨場感を実現しています。
自在なワールド構築とセキュリティの高いデータ管理機能
「MiraVerse」では、現実世界をそのまま取り込むだけでなく、アイデアや図面段階の試作品など実在していないものも含めて様々なデータを自在に組み合わせ、ユーザー自ら全く新しいモノや空間を自由自在に作り出し、その中で相互コミュニケーションをすることも可能です。
また、「MiraVerse」で活用される全ての情報は高いセキュリティ性を担保したクラウド上で一元管理されるため、ビジネス用途でも活用することができます。
さらに「MiraVerse」の機能はオープンAPIとしても提供されるため、外部のシステムと連携したサービスの構築も可能となっています。
「アバター生成管理基盤」と連携した安全なコミュニケーション
「MiraVerse」は、凸版印刷が提供するアバター生成管理基盤「AVATECT(アバテクト)」と連携しています。
セキュリティ面を考慮し、アバターの本人確認や、アバターとメタバース間のセキュア連携機能が提供されます。
これにより、なりすましを防止し、信頼できる相手との安全/安心なコミュニケーションを実現することができます。
機密性を有する高度な共同作業から多数の人に向けたプロモーション、展示会などの大型イベントまで、ワールド毎の用途に合わせた最適なセキュリティ環境が用意されています。
「AVATECT」について
任意のアバターに電子透かしやNFTを付与することで、その真正性や唯一性を担保し、さらにそのアバターを複数のメタバース空間に対してセキュアに連携することができるサービス。
活用シーン
「MiraVerse」はビジネスでの利用だけでなく、リアルで豊かな表現力・コミュニケーション機能を活かし、社会や暮らしなど様々な分野でのワールドの展開が期待できます。
想定市場
<プロモーション>
企業ショールームなど正確な商品情報に基づく顧客の購入意思決定をサポートします。
<製造・設計>
リアルタイムシミュレーションを使った設計やデザインなどの協調作業が可能です。
<教育・文化・観光>
距離や身体的な制約を超えた、新しい芸術鑑賞体験が可能です。
キャンペーン価格
・初期データ登録料:500万円~/空間
・スペース利用料:50万円~/月間
今後の展開について
凸版印刷社は「MiraVerse」を、企業プロモーション/安全教育/ミュージアム/防災訓練など、様々な企業や団体に提供を進めることで、2025年度には関連受注を含め100億円の売上を目指しています。
さらに、
「現実空間とメタバースのシームレスな連携による新しいコミュニケーションの場の提供を通じ、誰もが参加しやすく安全/安心で持続可能な社会の実現」
を目指すとしています。
まとめ
凸版印刷社は、現実空間の色味や質感などを正確に取り込んだメタバースを構築、フォトリアル/高臨場感のメタバースにより、新たなビジネス機会を創出可能なメタバースサービス基盤「MiraVerse」を開発し、2022年4月から提供を開始することを発表しました。
企業プロモーションだけでなく、製造・設計、教育・文化活動などさまざまな業界での活用が期待できるサービスとなっています。
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