アイキャッチ画像:Upload VR
Connect2021でMeta社は新しい複合現実とインターフェースSDKのグループであるPresence Platformを発表しました。
続いて2021年12月8日のMeta社のVR開発者ブログにて、Presence Platformの音声認識ソフトウェア開発キット(Voice SDK)と空間認識アンカーが公開されたことが明らかになりました。
これにより開発者は、Metaの音声認識をOculus Store &App Labアプリに追加したり、複合現実の空間アンカーを実験できるようになります。
音声を使ったナビゲーション体験などが可能に
自然な臨場感のある仮想環境を構築するためには、アプリケーションでの動きや空間の表現方法を改善することが必要です。
そこでConnect2021で発表されたPresence Platformは、
遠近感
空間定位
シーン理解
を含む機械知覚と人工知能の機能を備えており、Oculus SDK v35リリースの一部として提供されています。
まず、音声認識ソフトウェア開発キットは開発者が音声を使ったナビゲーション体験や、音声を使った新しいゲームを作ることを可能にする自然言語機能のセットです。
この新しいAPIにより、音声によるナビゲーションや検索、音声によるFAQを実現することができます。
また、Meta社によると、声で動く魔法で戦ったり、キャラクターやアバターに話しかけるなど、声を使った新しいタイプのゲームにも対応するとのことです。
先月リリースされたOculus SDKにはVoice SDKが含まれていましたが、「実験的」と記されていたため、Oculus StoreやApp Labのアプリには含まれていませんでした。
より高度なAR/MR体験を実現
画像:Upload VR
もう一つの実験的な機能である「空間アンカー」では、開発者やユーザーは物理的な空間の任意の場所にデジタルオブジェクトを配置し、そこに永久に表示されるように設定することができます。
つまり、ユーザーが部屋の中を動き回っても、その場にARオブジェクトを留めておけるようになります。
また、Quest2を脱いで後からもう一度装着しても、ARモードのオブジェクトは部屋の中の同じ場所に毎回表示することも可能です。
そのため、例えば、車のデザインアプリケーションのユーザーは、車の3Dモデルをオフィスに置き、歩き回って様々な角度からデザインを検討することも期待できます。
ただし、空間アンカーは、複合現実のための新しい実験的な機能であり、StoreやApp Labのアプリではまだ使用できません。
Meta社のVRチームによると、空間アンカーの製品版は近い将来に提供される予定で、その際にはOculus StoreやApp Labでユーザーに体験を提供できるようになるとのことです。
まとめ
ここ最近メタバースの話題ばかりが目立つMeta社ですが、他方でXR技術に関しても注目すべき動きを見せています。
特に空間アンカー機能はMeta社がMR技術に想像以上に注力していることを示唆するのではないでしょうか。
VRゴーグルでありながらカラーパススルー機能を持ちMRグラスとしても利用できるという、新デバイス「Project Cambria」で空間アンカーは重要な役割を果たします。
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Quest(2)の白黒で粒状のビデオAR画像は過去のものとなり、物理的な環境がカラーでシャープに表示されるため、複合現実アプリの利用がより快適なものになります。
今後のMeta社はVRだけでなく、AR/MRに関しても存在感を発揮していきそうですね。
参考:Speech Recognition And Experimental Spatial Anchors Now Available To Quest Developers[Upload VR]
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