VR・ARを含むXR市場の創造に取り組む株式会社Synamonは、MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険株式会社が実施している「事故車損害調査 基礎研修」にVR技術を提供し、「VR事故車損害調査研修」を共同開発したことを発表しました。
「VR事故車損害調査研修」とは?
今回登場した「VR事故車損害調査研修」は、VRイノベーションタワー「NEUTRANS」のVR空間に、事故車の損害調査ができるバーチャル空間を構築することで、全国どこからでも研修へ参加が可能になるVRコンテンツです。
共同開発の背景
三井住友海上は、自動車事故の保険金額の算出過程として、事故車の損害調査を実施しており、損害調査は保険会社である三井住友海上の根幹業務のため、その意義を全社員が理解する必要があります。
そのためこれまでは、全国から数百人の新入社員が千葉にある研修所に集まり、毎年研修が実施されていました。
しかし、昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大により研修の開催が厳しい状況となっています。
そこで、VR技術を活用し全国どこからでも参加できる研修を創出できないかと考え、Synamon社が提供する「NEUTRANS」を活用し、「VR事故車損害調査研修」のバーチャル空間構築に両者で取り組むこととなっています。
「事故車損害調査 基礎研修」概要
バーチャル空間イメージ
事故車モデル
リフトアップされた事故車モデル
研修の様子
事故箇所の撮影
研修の流れ
「事故車損害調査 基礎研修」では、以下の1~5がVR空間上で実施される予定となっています。
1. 部品名称や新品部品の補給形態を学習
2. 部品構成・材質や組付け構造を学習
3. 事故類型によって異なる損部形態や特徴的な痕跡について学習
4. 実車(事故車)を使用して、調査プロセスを学習
5. 損傷状態の証拠保全方法を学習
6. 見積作成手順を学習
今後の展開について
VR空間を利用した研修は、今後以下の予定で開催されます。
2021年4月以降:「VR事故車損害調査研修」の開催
2021年7月以降:自然災害の損害調査におけるVR研修開催
「NEUTRANS」について
VRイノベーションタワー「NEUTRANS」は、Synamon社が「XRが当たり前の世界」を実現するために開発した、VR空間であらゆるビジネス活動を可能にするVRビジネス施設です。
世界中どこからでも働けるオフィス、リモートでもリアルのような体験を可能にするトレーニングや開発予定の未来都市を見学できるプロモーションなど、VR空間を活用した次世代事業の創出拠点を目指しています。
まとめ
今春も、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、大勢が参加する入社式の開催も難しい状況が続いています。
集団研修が開催できないのは、企業にとって大きな問題です。
今回発表された「VR事故車損害調査研修」では、従来のように新入社員を一か所に集めることなく、これまでと同様の質の高い研修が実施できます。
それぞれの拠点で、同時に同じレベルの研修が受けれるVR研修は、コロナ収束後もますます活用されるようになるでしょうね。
Copyright ©2021 VR Inside All Rights Reserved.