Leap Motionは、2016年8月27日に更新したブログ記事において、VRヒーリングコンテンツ「Itadakimasu」の制作舞台裏を公開した。
同ブログによると、今月はじめに開催されたVRLAに出品された同アプリは、動物との触れ合いを導入したセラピーが患者の不安を取り除き、血圧も安静にする研究結果から着想された。
つまり、VR空間内でバーチャルな動物との触れ合うことによる「癒し」体験を提供する、ということが同アプリの目指すものだったのである。
この開発コンセプトは、バーチャルペットとのより親密な関係の追求、という側面も持っている。
ハンドジェスチャーとキャラクターの開発
ハンドジェスチャーの開発には、Leap Motion Controllerを使って、手の動きとプログラム上の処理が連動するようにした。
同アプリの開発者であるJeff Changによれば、伝統的なアナログコントローラーも長い歴史に裏打ちされた実績があるものも、バーチャルアニマルとより親密な関係を築くためには、ユーザーの手によるジェスチャーとバーチャルアニマルとの直接的なインタラクションが不可欠、とのこと。
バーチャルアニマルの設計に関しても、「癒し」体験を提供するという同アプリの主旨を重視して、リアルな造形ではなくかわいらしい「ゆるキャラ」的なものにした。
「ゆるキャラ」的なキャラクター設計に際しては、2005年に日本で販売された癒しロボット「パロ」を参考にした。
VR空間の設定
キャラクターが登場するVR環境は、日本の回転寿司の店舗のようにした。
回転寿司の店舗のようにした理由は、回転寿司の旗にハンドジェスチャーのマークを表示することで、ユーザーに有効なハンドジェスチャーを繰り返し見せることができるからである。
さらには、回転寿司に乗ったバーチャルアニマルを見せることで、ユーザーの視線を無理なく誘導できるというメリットもある。
VRLAでの反応
以上のように開発されたVRコンテンツは、VR環境の設定が回転寿司の店舗であることにちなんで「Itadakimasu」と名づけられて、VRLAに出品された。
同アプリの体験者は、有効な3つのハンドジェスチャーを難なく理解していた、とのこと。
面白いのは、多くの体験者がバーチャルアニマルに話しかけていたことである。
開発者のJeff Changは、いつかまたバーチャルペットを題材としたVRコンテンツを作る場合は、ハンドジェスチャーだけではなく、音声によるインタラクションも追加したいと考えている。
ともあれ、「Itadakimasu」を体験した来訪客は皆笑顔を浮かべていたので、ひとまずは成功と言えよう。
「Itadakimasu」の制作舞台裏を公開したLeap Motion公式ブログページ
http://blog.leapmotion.com/design-process-behind-itadakimasu/
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