HTCが販売するVRヘッドセットViveは、ハイクオリティなVR体験を実現する消費者向けのVRヘッドセットだ。その魅力は本体性能だけでなく、別売アクセサリの豊富さにもある。
Vive Trackerは、Viveの高精度なトラッキングに様々なアイテムを対応させてしまうアクセサリだ。デベロッパー向けには今年の初めから販売が始まっており、アイデア次第でVive単体や他社のVRデバイスでは実現できないユニークなVRコンテンツを開発することが可能となる。
Vive Trackerの販売はデベロッパーに限られているが、近く一般の消費者向けに販売が始まるかもしれない。
サイトに登場した新アイテム
Vive Trackerの現状
デベロッパー向けに発売されたときには、販売開始からわずか2時間で品切れする国も出るほどだったVive Tracker。現在は国によって扱いが異なっており、日本ではデベロッパー向けに販売しているがヨーロッパでは販売されていないという。アメリカのサイトにはVive Trackerの表記があるものの、現在は品切れとなっている。
特にデベロッパーとしての登録や審査があるわけではないので日本向けのサイトからは誰でも購入可能だが、2個までという制限がある。どうやら、大量生産はしていないようだ。
ヨーロッパでも小売店経由でVive Trackerを購入することは可能だというが、これを消費者向けの販売と言って良いのかははっきりしていない。HTCが小売店経由でデベロッパーに向けて販売していると認識している可能性もある。
Racket Sports Set
海外メディアRoad To VRによれば「Viveアメリカ向けサイトのアクセサリページにTrackerと互換性のあるRacket Sports Setが掲載された」(上画像)とのことだが、現在は確認できない。
製品画像や価格といった情報はなく詳細ページも404だったようなので、未発表の製品が誤って掲載されてしまったのだろうか。名前からするとVive Trackerを使ってテニスや卓球といったVRゲームをプレイするためのアクセサリではないかと思われるが、公式の発表はない。
Vive Trackerの使用例
発売が近いかもしれないVive Trackerは、様々な用途に活用できるデバイスだ。そのポテンシャルの高さを示す使用例をHTCや世界のデベロッパーが公開している。
Daydreamをルームスケールに対応
そうした取り組みの中でも特にインパクトがあるのは、モバイルVRヘッドセットDaydream ViewをルームスケールVR対応にしてしまうというものだ。
GoogleのVRヘッドセットDaydream ViewはGoogle PixelやGalaxy S8といったDaydreamプラットフォームに対応するスマートフォンをはめ込んでして使うタイプのデバイスであり、本来の使い方ではユーザの頭の動き(回転・傾き)しかトラッキングできない。しかし、Vive Trackerを使うことでHTC ViveのようにルームスケールのVR体験が可能になるという。
ユーザの全身をトラッキング
あるいは、ユーザ自身にVive Trackerを装着してもらう方法もある。ユーザの腰と両足にVive Trackerを装着することで、VRシステムが苦手とする下半身のトラッキングが可能だ。
足踏みをすることでVR空間を移動したり、サッカーのリフティングを行ったりといったゲームでの利用が考えられる。
難点は全部で3つのVive Trackerが必要になることだろうか。全身をカバーするトラッキングスーツを購入するよりは安価だが、Trackerだけで4万円近い金額になってしまう。
猫をトラッキング
想像しやすい使い方だけにとどまらないのがVive Trackerだ。デベロッパーのアイデアさせあれば、どんなところにもVive Trackerを取り付けることができる。
実用性はさておき、何か新しいVRアプリケーションが生まれるきっかけになるかもしれない。
たとえば、猫の背中にVive Trackerを装着してトラッキングすることが考えられている。猫の位置をVR空間に表示することで、VRゲームに夢中になって猫を蹴飛ばしてしまうこともなくなるだろう。Triangular Pixelsのサイトには、動画も公開されている。
小さくて軽いVive Trackerなら、猫もさほど嫌がらないのだろうか?
正式に発売されて対応コンテンツの開発が盛んになれば、Vive Trackerを使って楽しめるVRゲームやアプリケーションが出て来るだろう。現状では(自分対応アプリを作れば)何でもできるアクセサリとなってしまっているので、今後の展開に注目したい。
参照元サイト:Road To VR
参照元サイト:HTC(アメリカ)
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