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ロケーションベースVRのVRstudiosがワイヤレス技術を持つTPCastとの連携を発表


VRstudiosとTPCastとの連携が発表


パソコンと接続することで高品質なVR体験を提供する家庭用のVRシステムでは、まだまだ有線接続が基本となっている。2016年に発売されたHTC ViveやOculus Riftはもちろん、8Kの高解像度が期待されるPimaxのPimax 8K VRヘッドセット(クラウドファンディングで300万ドルを集め、来年発売予定)も有線接続が必要だ。


HTC Vive用にはTPCastやDisplayLinkのワイヤレスアダプタも開発されているがまだ一部の地域でしか手に入れることができず、とても普及しているとは言えない状況だ。


エンターテイメント施設では広い空間を移動しながらVR体験が可能なロケーションベースのVRを提供するところもあるが、その場合はバックパック型パソコンを使うのが一般的である。背中にパソコンを背負うことで移動しながらのVR体験が実現するが、少々重いのが難点だ。こうした施設で採用されるマシンは高性能だが、その分重量は大きくなってしまう。


VRstudiosは、VRデバイスのワイヤレス技術を持つTPCastと連携し、商業施設向けの新たなデバイスの開発を進めているようだ。


商業用VRデバイスとワイヤレス技術


仲間と共にVR空間へ

仲間と共にVR空間へ


VRcade/VRcade Arena


VRstudiosは、以前の記事でも紹介したことのある企業だ。家庭向けのVRデバイスやVRゲームではなく商業施設向けのデバイスやシステムの開発を行っている。


主要製品は2人のプレイヤーが30フィート×30フィート(9.2メートル×9.2メートル)の空間でVR体験が可能な「VRcade」と8人のプレイヤーが40フィート×60フィート(12.1メートル×18.3メートル)の空間で遊べる「VRcade Arena」だ。


いずれも商業施設での導入を前提にした製品なので個別の事情に合わせたカスタマイズが可能となっており、標準サイズより広い(あるいは狭い)スペースをプレイエリアとして使うことも可能だという。


実例としては、VRcade Arenaの発表よりも早くオープンしたナッツベリー・ファームのVRアトラクション「VR Showdown In Ghost Town」がある。この施設は最大4人のプレイヤーが参加できるようにVRcadeのシステムを拡張して作られた。


ワイヤレス×ロケーションベースVR


VRcadeの特徴ともなっているのが、ロケーションベースのVRをワイヤレスで体験できることだ。多くのロケーションベースVR施設ではバックパック型PCとPCベースのヘッドセットを使ってサービスを提供するが、VRcadeのシステムを使えばVRヘッドセットとパソコンを無線接続できる。


弱点としては映像のフレームレートがPCベースのVRヘッドセットで一般的な90fpsではなく60fpsに落ちてしまうことが挙げられる。しかし、VR体験の最中にこの違いが気になるユーザは多くないだろう。


VRデバイスを保有するのが普通のことになれば目の肥えた利用者が増えるかもしれないが、現時点では多少フレームレートが落ちても気にせず楽しめる利用者が多いはずだ。


TPCastとの連携


VRcadeではVRstudios独自の技術によってVRヘッドセットとパソコンとの通信を無線化していたが、今回発表されたパートナーシップによってTPCastが持つ無線通信のノウハウを取り込むものと思われる。


VRcade Arenaはまだ製品の発表のみでその実力が公になっていない。この製品には、新たにTPCastの技術が利用されることになるようだ。


11月に開催されるイベントで、初めてVRcade Arenaシステムを使ったVRが公開される予定となっている。


TPCastのワイヤレス技術


TPCastのワイヤレスアダプタ

TPCastのワイヤレスアダプタ


HTC Vive用アダプタ


TPCastは既にHTC Viveのワイヤレス化を行うアダプタを一部の国で販売している。このアダプタを使えば、通常はパソコンと有線接続しなければならないViveをワイヤレスで使うことができる。


まだ販売されている地域が少ないものの、その実力に対する評価は高い。90fpsのVR映像(2K画質)を無線で送っても遅延は2ミリ秒以下とされており、ほとんどのVRゲームではプレイに支障がないレベルだ。


ヘッドセットを動作させる電力も、バッテリーから5時間に渡って供給されるという。


Oculus Rift用アダプタ


現時点ではHTC Vive用のワイヤレスアダプタのみを販売するTPCastだが、Oculus Rift版のワイヤレスアダプタも開発を進めているという。Rift用アダプタの出荷目標は今年の末とされている。


高品質なVRには付き物となっているケーブルも、家庭用・商業用のVRデバイスから消えていくことになるのだろうか?


 


参照元サイト:VR Room

参照元サイト:VRstudios


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