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投資家はOculus Goの発表をどのように見るべきか?


Oculus Go

Oculus GoはOculusに市場での優位をもたらすことができるか?


Oculusが先日サンノゼで開催したOculus Connect 4で発表した新しいVRヘッドセット、Oculus Go。現在販売されているOculus Riftの後継機として開発されているわけではなく、パソコンとの接続が不要な独立型のVRヘッドセットだ。


Gear VRのようにスマートフォンを使う製品でもなく、これを購入すればそれだけでVR体験が可能になるVR入門者に最適なデバイスである。Facebookが目指すVRが普及した世界への鍵を握るとも言われる存在だ。


正面からVR市場のメインストリームを狙うこの新製品を、この市場への投資を考える人々はどのように見るべきだろうか。


VR市場におけるOculus


Oculus Rift

ハイエンドVRヘッドセット2大巨頭の一角を占めるOculus Rift


Oculus Rift


VRヘッドセットについて調べたことがあるなら、Oculusの名前を冠するハイエンドVRヘッドセットOculus Riftの存在を知っているはずだ。Oculus Riftは、VR Awards 2017でもVR Headset of the Yearに選ばれている。


PCベースのVRヘッドセットとしては、このOculus RiftとHTCのViveが代表的な存在だ。既に販売されている製品としてはFOVEのFOVE 0などもあるが、知名度や販売台数の点でRiftやViveには及ばない。


このOculus Rift(HTC Viveも)の特徴となっているのが、現行の家庭用デバイスとしては非常に没入感の高いVR体験を提供してくれることだ。FOVE 0と違ってアイトラッキング技術こそ搭載されていないものの、ハンドトラッキングコントローラーによる操作やルームスケールVRに対応する。これらは、スマートフォンを使用するモバイルVRデバイスには無い機能だ。


少ない販売台数


しかし、Oculus Riftは2016年に予想されていたほどには売れていない。調査会社が発表したレポートによれば、2016年に販売されたVRヘッドセットに占めるRiftの割合はわずか3%だ。


2017年第1四半期のデータでも、Riftの販売台数は64,000台とされている。対して、サムスンのGear VRは782,000台を売り上げたという。


この販売台数の差を生み出した原因はいくつも考えられるが、大きな要因は価格差だ。


高価なVRデバイス


Oculus Riftはこれまでに3度値下げされているが、3月に1度目の値下げが発表されるまではヘッドセット本体だけで83,800円という値が付けられていた。当時はOculus Touchが別売だったため、ハンドトラッキングコントローラーが欲しければさらに23,800円が必要となる。これだけで10万円を超えてしまうのだ。


現在はヘッドセットとコントローラーがセットで5万円と、当時に比べればかなり手頃な価格になっている。だが、Oculus Riftを使うにはVR映像の処理に適した高性能なGPUを搭載したパソコンが必要だ。


時間が経つにつれてVR Readyとされるパソコンの価格も下がってきているが、VRゲームに使うなら5万円から10万円程度の出費は覚悟すべきだろう。特に高性能なモデルになると、30万円から50万円程度の価格で販売されている。


Gear VRが売れる理由


Oculus Riftの販売台数が少ない理由が価格の高さなら、Gear VRが売れている理由は価格の安さだ。


Gear VR本体は1万円程度で購入できる上に、国によってはキャンペーンでサムスンのGalaxyスマートフォンとセットでお得に販売されたり、スマートフォン購入でGear VRがもらえたりする。Galaxyスマートフォン自体が人気の端末なので、合わせてGear VRの使用者が増えるという仕組みだ。


また、セットアップが簡単なこともユーザを増やす一助となっていると思われる。ハイエンドPCをセットアップをするだけでワクワクしてしまうというハイテク愛好家でなければ、複雑な設定が必要なOculus Riftよりも簡単に使えるGear VRを好むはずだ。


入門用VRデバイス


Gear VRやGoogle Daydream ViewといったモバイルVRデバイスは価格が安いことに加えて、使い方も簡単なのが特徴だ。しかし、いずれも対応するスマートフォンが限られている。


Gear VRはGalaxyスマートフォン専用なので、サムスン以外のスマートフォンを使っているユーザは利用できない。Daydream ViewはGear VRよりも対応機種が多いものの、Galaxy S8を含むいくつかのハイエンドAndroidスマートフォンにしか対応していない。


モバイルVRに対応するスマートフォンを持たない消費者がVRを体験するための受け皿となってきたのがGoogle Cardboardだ。Cardboardは一般的なスマートフォンでVR体験を可能にしてくれる。


ヘッドセット(ゴーグル)はスマートフォンを固定するだけのシンプルなものであり、ダンボール素材のものが無料で配布されることもある。プラスチックを使ったものでも、500円から1,000円程度で多数販売されている。


だが、CardboardでもたらされるVR体験はごく基礎的なものだけだ。ハンドトラッキングやルームスケールといった高度な機能に対応しないことはもちろん、Gear VRのような専用のリモコンも存在しない。


多くの体験者はCardboardから本格的なモバイルVRやハイエンドVRの世界に進まず、彼らにとってVRデバイスは「ちょっとしたおもちゃ」で終わってしまった。


初めてのVRデバイスになる


サムスンのMRヘッドセットOdyssey

サムスンのMRヘッドセットOdyssey


デバイスの低価格化


既にモバイルVRまたはハイエンドVRデバイスを購入した一部の消費者ではなく、まだ本格的なVRを体験したことがない消費者をターゲットにしたデバイスの低価格化が進んでいる。


Oculus RiftやHTC Viveといった既存のハイエンドVRヘッドセットは価格改定によって発売時よりも安くなっており、複数のメーカーが開発するWindows Mixed Realityに対応するヘッドセットはそれらよりもさらに安い。Windows MRヘッドセットはVRヘッドセットに比べて低スペックのパソコンで利用できることも、システム全体のコストを抑えることに繋がっている。


スタンドアロンタイプの流行


いくつかの企業が既に販売しており、OculusやHTCも開発を進めているのが独立型のVRデバイスだ。


独立型デバイスはパソコンやスマートフォンを必要としないため、総合コストが非常に安くなる。Oculus Goは199ドル(2.2万円)なのでGear VRよりも少し高価だが、Galaxyスマートフォン無しでもVR体験が可能だ。


パソコンとヘッドセット本体を結ぶケーブルがVR体験を邪魔しないことや、特別なセットアップが不要なことも一般の消費者にとってメリットとなる。


Facebookは優位性を活かせるか?


Oculus Goは来年発売予定のデバイスだが、Oculusとサムスンが築いてきたGear VRコンテンツのライブラリを実行可能だとされている。コンテンツの豊富さは消費者にアピールする武器となるので、この点では遅れてVR業界に参入した企業に対する優位性を活かすことができそうだ。


今年HTCが発売予定のVive Focusも独立型のデバイスだが、こちらはDaydreamプラットフォームに対応する。DaydreamもGear VRと並んでメジャーなモバイルVRプラットフォームではあるものの、登場が昨年の末と遅かった分コンテンツ数は少なめになっている。


Oculus GoもVive Focusも詳細なスペックが明かされておらず、Vive Focusは値段も不明だ。独立型デバイスのシェアを巡る両者の争いでは、Vive Focusの値段が一つのポイントになってくるかもしれない。


Vive Focusはインサイドアウトのトラッキングに対応するためOculus Goよりは価格が高めになりそうだが、差が小さければOculusにとっては厳しい戦いとなるだろう。


 


Windows MRヘッドセットの登場やスタンドアロンデバイス開発の流行など、新しい要素がVR業界の混乱を引き起こしている。Oculusを推す場合も他の企業を選ぶ場合も、この業界への投資を考えるなら常に最新情報のチェックが欠かせない状況が続きそうだ。


 


参照元サイト:The Motley Fool


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