海外メディアOMNSFTは、Microsoftが特許を取得したARインプットデバイスを紹介した。
Microsoftが特許を取得した謎のインプットデバイス
同メディアによると、Microsoftは2017年8月22日付でARインプットデバイスの特許を取得した。
それはARワンドか?
同特許の存在が判明したのは、エンジニアのツイッター・ユーザー名WalkingCat氏が同特許の画像をツイートしたことが発端だった。
Microsoft Patent: Augmented reality input device https://t.co/qmxB5WnOq4pic.twitter.com/TIz7KeTBbt
—WalkingCat (@h0x0d) 2017年8月23日
実際にアメリカ特許庁のサイトで同特許を検索すると、確かに存在する(本記事下部にリンクを貼っておく)。
同特許の説明には、「新しいデザインのARインプットデバイス」という文言しかなく、具体的にどのように使うかは全く記述されていない。しかし、特許には本記事トップ画像のほかに以下のような画像が添付されている。画像には同デバイスのサイズは記入されていないので、大きさは不明である。
大きさが不明ではあるが、同デバイスにはグリップのような部分があることから、映画「ハリー・ポッター」シリーズでポッターたちが魔法を唱えるときに振るワンド(短い棒)のように使うジェスチャー・コントローラーのようにも見える。
それはARスタイラスペンか?
同デバイスの存在をツイートしたWalkingCat氏は、HoloLensといっしょに使うARスタイラスペンではないか、と推測している。つまり、HoloLensを装着した状態で同デバイスをペンのように使うと、リアルな空間に立体的な絵や文字が描ける、というわけである。あるいは、VRペインティングアプリ「Tilt Brush」においてVIVEあるいはOculusRiftのハンド・コントローラーを使ってVR空間内に文字や絵を描くように、このインプットデバイスを使うとも言えようか。
同氏がいうARスタイラスペンには、実は元ネタがある。同氏のツイートによると、同インプットデバイスの元ネタはかつて初期のGoogle Glassがまだ市場にあった2014年に発表されたアイデア「Google Glass DRAW」だというのだ。
this is inspired by Google Draw (for Google Glass) https://t.co/ZKEPgFA4PZpic.twitter.com/eDG3VX9KW2
—WalkingCat (@h0x0d) 2017年8月23日
「Google Glass DRAW」とは、Google Glassを装着した状態でリアルな空間に対してペンのようにして使うと文字や絵が描ける、というデバイスだ。同アイデアを思い付いたのは工業デザイナーのJorge Trevino Blanco氏なのだが、アイデアを説明する動画もYouTubeに残されている(公開日は2014年5月5日)。
以上の特許にはHoloLensという単語は全くない。しかし、参照資料として以上のGoogle Glass DRAWが明記されていることから、同氏の推測の信憑性がもっとも高い、と言える。確かに、HoloLens自体はジェスチャー・コントロールに対応しているが、文字や絵を描くと言った細かい作業にはヒトの手ではなく専用デバイスがあった方が便利だろう。
ともあれ、いまだ開発版であるHoloLensには大きく仕様や形状が変わる余地が大いにある。その余地のなかには、専用コントローラーの実装というアイデアも含まれているはずだ。それゆえ、いつの日か、以上のインプットデバイスの実物を見る日が来るかも知れない。
Microsoftが特許を取得したARインプットデバイスを紹介したOMNSFTの記事
https://www.onmsft.com/news/microsoft-may-be-exploring-new-ar-gestures-controls-with-wand-like-patent
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