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GE Aviation、航空エンジン整備にGoogle Glassを導入して作業効率の向上に成功


海外メディアNext Realityは、GE AviationがGoogle Glassを導入したことを報じた。



確かな実績を築くGoogle Glass


2017年7月19日、本メディアはGoogle Glassエンタープライズ版がリリースされたことを報じた。同デバイスを導入した企業の成果が、早速報告された。


アメリカ航空機エンジンメーカーGE Aviationは、航空エンジンの整備業務にGoogle Glassを導入した。同デバイスを導入することにより、作業マニュアルの確認を文字通り「手を止めずに」できるようになったので、作業時間の短縮に成功した。


同デバイス導入の成果を実証した動画も存在する。その動画によると、シニア・メカニックに同一のエンジン整備業務をGoogle Glassを装着して実施した場合と、装着しない場合の作業時間を比べた場合、Google Glassを装着した場合、16%早くなったことが実証された(以下の動画参照)。なお、動画における「Skylight」という表記は、Google Glassに実装された作業支援アプリを開発した企業名を意味している。



同社は、Google Glassの採用に伴いスマートレンチも導入した。このスマートレンチには、レンチに加わったチカラを計測するセンサーが内蔵されており、このレンチに加わったチカラはWi-Fiを通じてGoogle Glassに表示されるようになっている。スマートレンチを導入した理由は、航空エンジンの部品の組み立てには、部品ごとに異なったチカラを加える必要があるからだ。


メカニックは、スマートレンチから部品に加えたチカラに関する情報をGoogle Glassに表示しながら、同デバイスが示す適切なチカラが加わるまで作業を続ける。このシステムによって、作業効率が改善されるだけではなく、作業の精度も向上した。実際、同システムを使用したメカニックのうち85%が作業ミスが減ったことを認めている。


Google Glassとスマートレンチが連動している画面


GE Aviationは、以上のようなAR作業支援システムを12ヶ所の現場に導入することを計画している。同社は、こうしたAR作業支援システムを導入することにより、数百万ドル(数億円)単位のコスト削減が10年間にわたって見込めると考えている。


実証されるAR業務支援システム


以上に紹介したようなARを活用した業務支援システムの導入は、主として製造業で進んでおり、大きな成果もあげている。


業務教育にARを導入したボーイング社


本メディア2017年6月22日付の記事では、航空機製造メーカー・ボーイング社が航空機の整備業務の教育にHoloLensを導入したことを報じた。


同社は、従来のヒトからヒトに教える方法に代わって、組み立て工程の教育にHoloLensを導入した。HoloLensを使えば、組み立て作業中にいつでも手順を確認することができるし、部品の組み合わせ方を3Dモデルで表示することもできる。この方法だと、極論すればHoloLensの使い方さえ知っていれば、組み立て作業が可能となる。


組み立て作業にHoloLensを導入したことによって、訓練時間を一人当たり75%削減できたという。この数値に従うならば、訓練時間が従来の1/4になったことを意味する。


シーメンス社が導入したARヘルメット


ARヘルメットに助けられながらガスタービンを組み立てるエンジニア

ARヘルメットに助けられながらガスタービンを組み立てるエンジニア


また、本メディア2017年8月3日付の記事では、鉄道・交通関連や生産設備などの広い分野に跨る事業を展開するドイツの企業シーメンス(Siemens AG)が、ロサンゼルスのスタートアップ企業Daqriが開発した産業用ARヘルメットを業務に活用するテストを昨年の夏に行ったことを報じた。


ベルリンのテストセンターで行われたテストでは、わずか4人のエンジニアが被験者としてAR表示機能を持つスマートヘルメットを着用した。彼らがARによるサポートを受けながら行ったのは、1,000ポンドの強力なガスバーナーを組み立てる作業だ。このバーナーはガスタービンの重要なパーツであり、構造も複雑だ。


テスト時に着用したヘルメットには段階を踏んでガスタービンの組み立て方を示し、パーツの三次元構造も表示していた。


テストの結果、過去にガスバーナーを組み立てた経験のないエンジニアの一人は、45分で組み立てを終えたという。ちなみに、ガスバーナーの組み立て作業は初めてなら丸一日かかる、とのこと。ARヘルメットを導入することによって、劇的な作業時間の短縮に成功したのだ。


以上の事例からわかるように、製造業の業務にARテクノロジーを導入することは、その効果を考えると「現実的な」選択肢ではないだろうか。長いスパンで考えると、ARシステムを導入するコストは、導入後に実現する作業時間短縮によるメリットによって相殺されるのは確実なのだから。


GE AviationがGoogle Glassを導入したことを報じたNext Realityの記事

https://glass.reality.news/news/ge-aviation-pairs-google-glass-with-smart-wrench-improve-process-quality-0179376/


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