GoogleはVRプラットフォームのCardboard・DaydreamやARプラットフォームのTangoを作成しているが、プラットフォームだけでなく自社でVRアプリを開発することにも積極的だ。
Googleが教育への利用を想定しして開発したVRアプリケーション『Expeditions』は、世界の名所や普段はなかなか入れない施設の内側を360度映像で旅するアプリである。
このExpeditionsに、個人で利用するためのソロモードが追加されている。
Expeditionsを使った学び
現地に行って、その場で体験することに勝る学びは無い。
歴史の授業でタージマハルや万里の長城の建設にまつわる物語を聞いたとき、南の海に暮らす生き物たちを知りたいとき、本物を見ることができればそれが一番だ。
しかし、地球上には高い山や絶海の孤島といった訪れるのが難しい地域もある。観光地になっている遺跡ならば訪れるのは難しくないが、時間もお金もかかってしまう。
VRで旅行する
現地に行くことなく、まるで行ったかのような感覚を味わわせてくれるのが360度映像を使ったVRでのバーチャルトリップだ。
昨年の6月にリリースされたGoogleの教育用VRプラットフォームExpeditionsでは、マチュピチュのような有名な遺跡やグレートバリアリーフのような自然はもちろん消防署やテレビ局の中を360度映像で探検することもできる。
学校向けアプリと個人向けアプリ
Expeditionsは学校での利用に適したアプリで、安価なCardboardデバイスでも視聴可能だ。学校では教師がタブレット端末でアプリをコントロールし、複数の生徒がCardboardを使ってVR体験をしながら説明を受けることができた。
新しいソロモードでは、タブレット端末を持った教師にガイドしてもらうのではなくユーザ自身がアプリを操作することが可能だ。
VRコンテンツのライブラリから何を見るか、どこに行くかを自分で決め、特定の場所やあらかじめ用意されたバーチャルツアーを選ぶことになる。
画面には360度の映像だけでなく遺跡や土地に関する情報も合わせて表示されるので、解説を受けなくても一人でツアーを楽しむことができる。
新機能
ソロモード
Expeditionsを利用したユーザは360度映像を使ったバーチャルツアーを楽しんだが、学校の授業時間には制限がある。あまり多くの場所を訪れていては授業が進められないので、自由にExpeditionsを使った探検をするのは難しかった。
そこで追加されたのがソロモードである。このモードならば学生は教室だけでなく自宅でもExpeditionsを利用でき、家族とそのVR体験を共有することも可能になる。
授業時間が足りない場合は、授業の内容を補うために自宅で特定のバーチャルツアーを見てくることを課題にすることも可能だ。
もちろん、ソロモードの恩恵を受けるのは現役の学生だけではない。歴史や地理、あるいは消防署内の様子を知りたい人は誰でも、スマートフォンとCardboardを使ってExpeditionsのバーチャルツアーに参加できる。
Daydreamに対応したスマートフォンを使っているならば、ヘッドセットとしてCardboardを使う代わりにDaydream Viewを使うこともでき、より快適な装着感でツアーを楽しめるだろう。
注釈ツール
Expeditionsのツアーでは360度に情報が表示されるため、どこを見ていいか分からなくなってしまうこともあるだろう。ソロモードでは自分の気になる場所に視線を向けられるが、授業では内容を理解するために注目してほしいポイントが出てくることもある。
ある一点を強調するときに役立つツールを求める教師たちからの要望に応えて追加されたのが、新しい注釈ツールだ。
画面内に指やスタイラスペンを使って線を引くことのできる注釈ツールを使えば、注目してほしいポイントを分かりやすく示すことができる。
教師が書き込んだ注釈は接続中の端末にリアルタイムに反映されるため、授業をしながら指示棒やレーザーポインターを使うようなイメージだ。
GoogleのExpeditionsアプリは現在Androidスマートフォン用に無料で公開されており、Play Storeからダウンロードできる。また、iOS用のアプリもまもなく公開されるという。
参照元サイト名:Google Blog
URL:https://www.blog.google/products/google-vr/adventures-abound-explore-google-expeditions-your-own/
Copyright ©2017 VR Inside All Rights Reserved.