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「ゼルダの伝説」シリーズ総合プロデューサー青沼氏発言「ゼルダ VRなんて想像できない」


海外メディアGameReactorは、「ゼルダの伝説」シリーズ総合プロデューサーの青沼氏に行ったインタビューを掲載した。


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過去に「一人称ゼルダ」はテストしていた


同メディアは、先日フランス・パリを訪問していた同氏にインタビューを行った。そのインタビューにおける質問は多岐に渡るのだが、同氏が総合プロデューサーを務める「ゼルダの伝説」シリーズとVRの関係についての質問もあった。その質問と質問に対する同氏の発言を以下に引用する。


インタビュアー:(「ゼルダの伝説」の主人公である)リンクがVR空間で冒険することを想像できますか。あなたや任天堂はVRに関してあまり興奮していないように感じられるのですが…


青沼氏:そのことについては、話を聞いてください。私が「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」を制作した時、すでに一人称視点での「ゼルダの伝説」をテストしていたのです。


テストした結果、私はそうしたゼルダを全く好きになれませんでした。こんなのはゼルダではない、と思ったのです。ゼルダのファンであれば、同じように感じるに違いないと思います。


私が思うに、リンクは戦っている時も探検している時もプレイヤーにその姿が見いていなければならないのです。リンクの活躍が見えることがゼルダのエッセンス、本質なのです。


そういうわけで、ファンの皆さんは想像できるかも知れませんが、私にはゼルダ VRなんて想像できません。ゼルダのVR化は優先事項ではなく、短期的なプロジェクトとしてもありません。


しかし、ゼルダシリーズのVRコンテンツ化は、未来においてはドアを閉ざすつもりはありません。


以上の発言からわかることは、同氏が「ゼルダの伝説」シリーズのVRコンテンツ化に消極的なのは、技術的な問題というよりは、ゲームデザイン、もっと言えば美意識の問題があるから、ということであろうか。


同氏が考えるゼルダシリーズの魅力は、プレイヤーが操作したリンクの活躍を見ることにあるのであって、プレイヤーがリンクになることではない。対して、VRゲームの魅力とは、プレイヤーがVR空間内のキャラクターとなってゲームに没入することにある。ゲームにおいて最も重視するものは、ゲーム・キャラクターとゲームプレイのどちらのなのか、という問題はもはや技術的に解決できるものではない。こうした問題は、ゲームの作り手の価値観や思想に関わるものである。


また同氏のようなゲーム・キャラクターを重視する価値観が、同氏だけではなく任天堂全体の価値観だとすると、例えば「マリオ VR」も制作されないだろう。というのも、マリオシリーズの魅力は、マリオのプレイを見ることにあるのであって、プレイヤーがマリオになることにはない、と言えるからだ。


もっとも、同氏はゼルダシリーズのVRコンテンツ化に関して、未来にはあるかも知れないと解釈できるコメントも付け足しているので、派生的なコンテンツとして「ゼルダ VR」が制作される可能性もある。


任天堂とVR


上記インタヴューにおけるインタビュアーが指摘しているように、任天堂は昨年からVRに関して興味を示しているものも、常に一定の距離を保つスタンスを貫いていることが、本メディアが以前に報じたインタビュー記事からわかる。



任天堂社長発言「SwitchのVR対応はあり得る」


任天堂社長、君島達巳


本メディアが2017年2月3日に報じたNikkei Asian Reviewに掲載されたインタビューの中で、任天堂社長の君島達巳がSwitchとVRについて語ったところによると、時期は不明だが、「VRを長時間利用することの問題が解決されれば」という条件付きで何らかの形でVRに対応すると答えている。


同社長が言及している「問題」が具体的に何であるかは不明であるが、VR酔いあるいは子供の目に与えるストレスのことではないかと思われる。


任天堂・宮本氏が発言「開発者は適切な長さのVR体験を制作するべき」


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本メディアが2017年2月15日に報じた海外メディアTimeのインタビュー記事において、マリオシリーズをプロデュースする宮本氏にVRに関する意見を尋ねたところ、同氏は以下のように発言した。


オンラインでVRをマルチプレイすることに関しては、多くの問題がすでに解決済みか、解決されつつあります。実際、オンラインVRマルチプレイに関しては、わたしたちもずっと研究していました。


しかし、私がVRを遊んでいるヒトを見るとき、頭を悩ませることがあります。例えば、もし親が(VRヘッドセットを装着して)VRで遊んでいる子供を見たら、きっと心配するだろうと思うのです。


もうひとつ、すべてのVRコンテンツ開発者が挑戦すべき他の問題もあります。それはVRでプレイするのにちょうどいい長さの体験を制作することです。


君島社長と宮本氏に共通しているのは、任天堂コンテンツのメインユーザーは子供であることから、VRが子供に与える影響を意識していることである。


VRがヒトに与える影響に関しては、まだ分かっていないことが多い。環境の影響を大人より受けやすい子供がVRから受ける影響ともなると、なおさらわからない。メインユーザーが子供である任天堂がVRに慎重なのは当然だと言えよう。


「ゼルダの伝説」シリーズ総合プロデューサーの青沼氏に行ったインタビューを掲載したGameReactorの記事

https://www.gamereactor.eu/articles/560103/Eiji+Aonuma+reflects+on+Zelda+Breath+of+the+Wild/?page=2


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