エクストリームスポーツの祭典X GamesをGear VRで観戦！

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サムスンは、360°動画のライブストリーム配信をおこなうVR Live Passにおいて、7月に開催される「X Games Minneapolis」のライブ放送をおこなうことを発表した。

VR Live Passはサムスンが提供するGear VRユーザーを対象とした無料サービス。

同サービスは6月3日からリオデジャネイロで開催された総合格闘技イベント「UFC212」のライブ配信から始まり、今夏開催されるイベントへのユニークなアクセス手段を提供している。

「ぞくぞくする」競技と高い没入感！

X Gamesとは年2回開催されるエクストリームスポーツの競技大会。海外では多くのファンが存在し、日本においても人気は高い。

「エクストリームスポーツ」の定義はあいまいではあるが、一般的にスケートボードやサーフィンといった速度、危険性などの点において「過激な」スポーツの総称である。「X Games Minneapolis」はそうしたスポーツのアスリートらを集めたスポーツの祭典というわけだ。

X Gamesが360°動画として放送されるのはこれが初。

X Gamesを主催する、アメリカのスポーツ専門チャンネルESPNの副社長Tim Reed氏はこう語っている。

「X Gamesは競技の進歩のために、プラットフォームを継続的に提供しているイベントです」

「決してごまかしはきかない、ぞくぞくするような競争……サムスンのGear VRテクノロジーは完璧に世界中の視聴者へとダイナミックなアクションスポーツをお届けします」

スポーツ観戦により高いリアリティや没入感を視聴者が求めることは道理だ。その意味で競技の様子をライブストリーミング配信するという発想自体には、そこまで驚きはないかも知れない。

ただエクストリームスポーツはスリリングさを特徴の一つとするスポーツ。スリリングなスポーツを視聴しているのだから、観客側でももっと没入感を高めていきたい、従来の2Dライブ放送では物足りない……というファンにとっては今回VR Live Passが出したニュースは吉報かもしれない。

「X Games Minneapolis」の後も、VR Live Passでのスポーツ動画は継続的に配信されていくものと予想される。実際「スポーツ中継」は視聴者からの大きな需要が予測されるため、積極的に事業展開に乗り出す姿勢も納得できる。

といっても、実のところこれまでにもGear VRはスポーツのライブ配信に関わる事業に複数件関わってきているのだ。

もちろんVR Live Pass自体は「UFC212」から始まったのだが、例えばPGAゴルフツアーのライブ配信などは既におこなっていたのだ。他にも例えばIntelとMLBが野球中継の3年契約を結んだことが話題となったが、ここで使われている技術はサムスンのものだ。

Gear VR ヘッドセットはローンチされた当初から360°コンテンツを楽しむことが出来た。そしてライブスポーツイベントの観点から言えば、Gear VRには他のモバイルVRプラットフォーム、またPCやプレイステーション向けの高性能VRヘッドセットでは見つからないようなアプリを独占していたのだ。

このような独占が可能だったのはGear VRが市場に早期から登場していたこと、また比較的手ごろな価格だったことに起因する。そしてGear VRは世界中で最も巨大なVRプラットフォームとなったのだ。

それだけ巨大な市場シェアを占有するがゆえに、ライブストリーミング配信事業の将来を見る上でGear VRのコンテンツラインアップに注目していくことには意味がある。そしてそのGear VRはコンテンツの多様性を拡充する方向性も意識しているようだ。

たとえば詳細はまだ発表されてないものの8月にはVR Live Passから、ライブエンターテイメント事業を手掛けるLive Nationによってプロモートされた、「国際的アーティスト」を招待したミュージックコンサートが配信される予定だという。

スポーツ観戦愛好家だけでなく、音楽ファンにもライブストリーミング配信の門戸が開かれれば、VRへの更なる潜在需要が掘り起こされることになるだろう。