6月5日から9日にかけて開催されている、Appleのデベロッパーカンファレンス、2017 Worldwide Developers Conference (WWDC)で、SteamVRのベータバージョンが新しいmacOS「High Sierra」に対応することが発表された。
Appleはその発表とともに、HTC Viveを使ったデモンストレーションも行い、新macOS、High Sierraと新Mac Proの情報もWWDCで公開している。
Mac対応SteamVR
Mac対応SteamVRはベータバージョンとして、Macの新OS、High Sierraサポートでリリースされた。
このベータ版SteamVRでも、WindowsやLinuxと同様、360°コンテンツ、ルームスケールトラッキングが使えるようになる。
デベロッパーサイドでは、EpicとUnityとの協力により、ベータ版のエクステンションツールでこれらのエンジンが使用可能だ。
SteamVRはMozillaともパートナーになり、WebVRサポートをFirefoxに追加し、今後macOSを使ってウェブ開発をしているデベロッパーがVRを使えるようにする予定だ。
MacでSteamVRを使用するには:
- Steamをデスクトップで開く
- ツールのライブラリーからSteamVRを探す
- 右クリックでプロパティを開く
- ベータタブを選択し、ドロップダウンからSteamVR Betaをクリック
動作環境:
- ● macOS対応のSteamVRにはmacOS 10.11.6でMetalグラフィックサポートまたはそれ以上が必要
–macOS、High SierraとMacのMetal 2が最適 - ● HTC ViveとMacハードウェアに適応しているコネクター
新macOS「High Sierra」
AppleはWWDCで、新コアストレージ、ビデオグラフィックテクノロジー搭載の、Macの最新デスクトップオペレーティングシステム、High Sierraのプレビューも行っている。
High Sierraは新ファイルシステムを使い、High-Efficiency Video Coding (HEVC) をサポート、マシンラーニングからVRまで稼働可能なAppleの最先端グラフィックテクノロジー、Metalへのアップデートもしている。
さらに、Photo、Safari、Mailなどのアプリも新しく改良された。
Apple File System
Apple File System(APFS)はパフォーマンス、セキュリティ、データの信頼性を高めた機能で、Macの新しいストレージの基盤となる。
最近の巨大ストレージテクノロジー活用のために作られた最先端のAPFSはファイルコピーからデータの保護までストレージのオペレーションが改良された。
High-Efficiency Video Coding (HEVC)
業界スタンダードHEVC(H.265)をサポートし、ビデオストリーミングと4K動画ファイルのプレイバックがハイクオリティで、現在のH.264スタンダードの40%小さく使えるようになる。
またHEVCがあれば、ハイクオリティビデオストリーミングが以前はHDストリーミングしか使えなかったネットワークでも使えるようになり、iMacとMacBook Proで劇的に早く、効率的なHEVCエンコーディングとエディティングができる。
Metal 2
Metalは最速、最適にMacでGPUパワーを使う方法だ。
Metal 2は改良が加えられたAPIと向上したパフォーマンスで、アプリの迅速化と最適化をサポート、音声認識、自然言語処理、コンピュータービジョンで使われているマシンラーニングサポートも追加されている。
Thunderbolt 3とMetal 2を組み合わせることで、よりパワフルな外部GPUが使えるようになる。
VR
Metal 2のパフォーマンスと最新Macハードウェアを利用し、macOS High SierraはVRコンテンツ クリエーションサポートも追加された。
これにより、デベロッパーはVRゲーム、3D、VRコンテンツをMacで制作することができるようになった。
さらにAppleはメジャーVRカンパニーとパートナーになり、今年後半に向けてMacにいろいろなVR機能を追加していく予定だ。
ValveはSteamVRプラットフォームをmacOS対応にし、HTC Viveヘッドセットとのコネクションが可能になった。
UnityとEpicはVRデベロップメントツールをmacOS対応に、Final Cut Pro Xはプロフェッショナル360°ワークフローサポートを追加し、360°動画のインポート、エクスポート、編集ができるようになる。
iMac Pro
AppleはHigh Sierraと同様、WWDCでMac史上初のVR対応、新しいiMac Proのスペックも公開した。
新しいiMac Proは27インチ Retina 5Kディスプレイ、最大18コア Xeon プロセッサー、最大22 Teraflopのグラフィックコンピュテーションを搭載し、今までで一番パワフルなMacプロダクトとなった。
iMac Proは最新のグラフィックエディティング、VRコンテンツクリエーション、リアルタイム3Dレンダリングのためのパフォーマンスが可能になっている。
2017年12月に$4,999(約56万円)にリリース予定だ。
- ● 最大18コアのIntel Xeonプロセッサー搭載でワークフローを改善
- ● 極薄デザインで80%クーリング機能がアップ
- ● 27インチ Retina 5Kディスプレイで1億色を再現
- ● 新Radeon Pro Vega GPU搭載で最先端のグラフィックが実現
- ● 最大11 Teraflopsがシングルコンピュートパワーで可能になり、VRのリアルタイム3Dレンダリング、ハイフレームレートが実現
- ● マシンラーニングにも最適で、最大22 Teraflopsのパフォーマンスが可能
- ● 最大4TBのSDDと128GBのECCメモリーサポート
参照元URL: https://blog.vive.com/us/2017/06/05/apple-embrace-vr-and-the-vive-platform-at-wwdc17/, https://steamcommunity.com/steamvr
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