Oculus Riftの考案者でありOculus創業者のPalmer Luckey氏が、今後のVRハードウェアの動向についてインタビューにて答えた。
今年3月にOculusを退社してから公の発言をしていなかったが、先日日本の徳島にて開催された「徳島 マチアソビ」にてインタビューに応じ、今後のVRハードウェア関連に関して彼の予測を示した。
Palmer Luckey氏のインタビューより
2016年9月以来の公式見解となるインタビューにおいて、彼が発言したのは、VRハードウェアに関して当面は大きな変化はなく、新製品の登場に関してはソフトウェアに関するものになるだろう、とのこと。
次世代のVRヘッドセットの登場を楽しみに待っているユーザーの人たちには面白くない状況かもしれませんが、今後はコンテンツとアプリがメインになるでしょう。ですからデベロッパーやVRのファンにとってはこの12ヶ月がエキサイティングなものであることに変わりはありません。沢山のコンテンツやアプリのプロトタイプが開発され続けるでしょう。
現在、多くのゲームタイトルやエンターテイメント用アプリがリリースされており、加えてソーシャルVRや職場で使用するためのアプリ開発も盛んに行われているので、VRヘッドセット市場に大きな変化がなくても、VR業界自体の盛り上がりが今後加速していくことに変わりはなさそうだ。
Rift2、Vive2はいつ発表されるのか?
日々様々なスタートアップや研究機関が新型ヘッドセットの試作品やコンセプト、新製品の投入を行っている中で、現在のHMDシーンのトッププレイヤーであるOculusとHTCはどのような舵きりをするのだろうか。
Oculusの見解
Oculusの共同設立者であり元CEO、現在は社内のPC VRチームを率いるBrendan Irive氏は3月に行われたインタビューにおいて、現在のOculus Riftは少なくとも今後2年間は現在のバージョンの販売を続ける予定であり、次世代のRift/Rift2の発表時期は2019年を予定しているとのこと。
HTCの見解
Vive部門の中国エリア最高責任者であるAlvin Wang Graylin氏は、1月のインタビューにおいて「VRHMDは1~3年の周期で世代交代する」と発言している。
また、同部門のゼネラルマネージャーであるDaniel O’Brien氏は、本当に新しいものを提供できるようになるまでは性急なバージョンアップは避けたい、との意思を示している。
スマートフォンのように、毎年小規模なアップデートを追加していくのではなく、年単位の時間かけて大きな、本質的な変化を作り出していく、というのがヘッドセット市場の性質のようだ。
各社メーカーの現在の動向
HMDに関して、当面は現行のバージョンの販売を続けるという方向で定まっているOculusとHTCだが、同時にハイエンドHMDをより多くの人に普及させるためのプランも導入している。
Oculus
3月からOculusは現行の製品のディスカウントを始めており、Riftは100ドル低価格で、Touchコントローラーも100ドル低価格にして販売をしており、RiftとTouchの同梱バージョンは600ドルの価格で提供している。
HTC
HTC Viveは値引きはしていないものの、分割払いで購入できるプランを導入し、800ドルのVive Kit(ヘッドセット、コントローラー、トラッキングセンサー)を長期間の分割払いで購入しやすくすると同時に、Vive KitとVR ReadyのPC、ラップトップPC、もしくはGPUとの同梱バージョンの提供、またヘッドセットの軽量化やベースステーションの出荷も開始している。
Sony
PSVRは現在のところ値引きなどの対応はしておらず、当面は現在のバージョンを現在の価格で提供すると考えられるが、ハイエンドVRHMDの中では最も低価格であることを考えると妥当な選択と言えなくもない。
ハイエンドVRヘッドセットの普及を妨げる要素の一つとして価格の高さが挙げられるので、この点をいかに解消することが出来るかが、ハイクオリティなVR体験を提供するHMDを、できるだけ多くの人々に届けるためのキーであることは確かだ。
同時に、現在様々なメーカーがヘッドセット市場に新規参入しており、ワイヤレス型ヘッドセットが次世代HMDの主流になると注目される現在、Oculus、HTC以外のメーカーの動向からも目が離せない。
参照元:RoadtoVR
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