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DisplayLinkの圧縮技術で低遅延・高フレームレートを実現したVRのワイヤレス化技術「Wireless VR」体験レポート


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5月30日から6月3日にかけて開催中のCOMPUTEX 2017の会期にあわせてDisplayLinkはVR HMDをwireless化する「Wireless VR」のデモ及び展示を行っていました。本記事ではWireless VRのデモを体験した感想や技術についてご紹介します。


現在におけるPC向けVR HMDはゲーミングPCとHMDの間に長いケーブルを必要としていましたが、DisplayLinkが開発したWireless VRにより、ワイヤレス化を実現しました。なお、17年2月27日から3月2日にスペイン・バルセロナで開催されていたMobile World Congress 2017でも同製品が出展されていました。


VR技術において必要とされていることはVRのワイヤレス化であり、ケーブルによる動作の制限を緩和するため解決策が現在に至って模索されてきています。例えば、バックパックを背負うタイプやケーブルを天井に吊すケーブルテザーなどです。


DisplayLinkでは非常に小さな装置を高所へ設置しVRのワイヤレス化を実現しています。DisplayLinkのコーデックを利用することで低レンテンシ(低遅延)なワイヤレス体験を可能としており、ユーザがジャンプしたりしても2ms-3ms(0.002-0.003秒)程度まで抑え遅延がほぼ発生しません。


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非常に小さい無線装置


 


これはワイヤレスネットワーク企業との技術提携と独自のビデオ圧縮技術により実現しています。VRコンテンツで要求される高いビデオデータをDisplayLink独自のビデオ圧縮技術により、ディスプレイの解像度や品質、フレームレートを維持したまま転送し動作します。


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受信側の装置でHMD側にデータを出力する/手の大きさ程度でコンパクト


 


DisplayLinkのs/wドライバにて描写したデータを独自フォーマットで圧縮エンコードを行い、HMD側にWireless Gigabit(WiGig)を通じて転送を行っています。これらの転送は60GHz帯を用いたIEEE 802.11ad規格を利用しており、理論値は約6Gbpsにも及びます。まさにWiGigの活用例ともいえる事例です。


PC側で最適な圧縮を行っており、低遅延及びフレームレートを重視してエンコードを行っているともいいます。また、ヘッドセット側に組み込まれているh/wレコーダーで描写したデータを伸長デコードし、HDMIで変換後、HMD上のディスプレイに表示しています。


第1世代 HTC ViveOculusRiftは1,200×1,080ドット×2枚の組み合わせですが、Wireless VRでは120fpsの4K解像度ディスプレイをサポートしているため、次世代モデルにも対応出来るよう開発されています。バッテリーライフについては現行では2時間ほどとなっていますが、今後登場するDisplayLink XLでは純正バッテリーへと変更し、3時間~4時間へとバッテリーライフを向上させるようです。また、現行のVive コントローラーの駆動時間は約2時間となっているため、現在の使用でも不便することは少ないように思えます。


デモではホームセンターで購入できるようなバッテリーで動作していた(駆動時間約2時間)

デモではホームセンターで購入できるようなバッテリーで動作していた(駆動時間約2時間)


 


筆者もデモを体験してみましたがVRの快適な動作を握る遅延についても全くといって良いほど見受けられず、快適にプレイできました。ViveのコントローラーはVR上で位置が確認できる仕様となっており、手元を確認出来ない代わりにコントローラーを自分の手として代用します。このコントローラーをVR空間で上に投げた場合、手元が見えないため非常に掴むことが難しくなりますが、デモでは遅延がないためしっかりと手にキャッチすることが可能でした。非常に優れた技術であることがわかります。



また、バックパックのように大きなものを背負うことがなく、プレイする人への負担はありません。バッテリーはホームセンターで売っているようなドリルなどのバッテリーで駆動しており、約2時間動作します。Viveのコントローラーも2時間ほどの駆動時間のため、現時点では問題なく対応できるとのこと。なお、デモで用いられたパソコンの基本仕様はGeForce GTX1080及び第6世代 Intel Core i5でした。


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投入予定の製品


 


めまぐるしくVR技術が発展する一方で、VRをワイヤレス化し快適に動作させるという点では特に遅延が少ないことが重要となってきます。Wireless VRでは遅延を少なくし、フレームレートを維持するだけでなく、今後のVRの発展を見越して4K 120fps解像度ディスプレイでの表示状態でもワイヤレス化出来るよう開発されています。そういった意味では今後の進化に期待出来るワイヤレス技術のように感じました。


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またCOMPUTEXにあわせて開催されたIntelの基調講演においても、同技術が紹介されており、市場投入時期は2018年の早い時期に投入するとIntelが名言しています。


また、HTC Vive をワイヤレス化するにあたって同技術を導入した場合、約200ドルの追加費用が掛かるものと想定されています。


参考:DisplayLink


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