米ピッツバーグ、東京, 2023年10月10日 - (JCN Newswire) - 世界最大級の産業・理科学用レ-ザーおよび半導体材料の製造・販売会社であるCoherent Corp.(NY証取:COHR)(以下、コヒレント、当社)は本日、株式会社デンソー(以下、デンソー) と三菱電機株式会社(以下、三菱電機)が、当社のSiC(シリコンカーバイド、炭化ケイ素)事業に総額10億米ドル(約1,500億円*)を出資することで合意いたしましたので、お知らせします。本取引は、当社が2023年5月に発表したSiC事業の包括的戦略見直しに基づくものです。
本取引では、当社のSiC事業に対してデンソーと三菱電機がそれぞれ5億米ドルを出資することと引き換えに、非支配株主持分を12.5%ずつ譲渡、当社は残りの75%を保有します。なお、取引完了前にSiC事業を子会社として分社化する予定ですが、当社は引き続きSiC事業の経営・運営を担います。分社化後は当社のエグゼクティブバイスプレジデント、ニューベンチャー&ワイドバンドギャップ・エレクトロニクス技術統括責任者であるソハイル・カーンが引き続き同事業会社を統括します。
本取引に伴い、SiC事業会社はデンソーおよび三菱電機と長期供給契約を締結、当社の150mmと200mm基板およびエピタキシャル・ウエハに対する需要に対応します。
コヒレントの会長兼CEOを務めるビンセント・マッテラ(Dr. Vincent D. Mattera, Jr.)は次のようにコメントしています。「今回、デンソーおよび三菱電機との戦略的パートナーシップを一段と強化し、SiCの需要拡大に確実に対応していくことが可能となることを大変喜ばしく思います。当社ではSiC事業について徹底的な検討を重ねた結果、長期的成長のための事業基盤を確固たるものとし、株主価値の拡大につなげるためには、新たに子会社として分社化し、SiCパワーデバイス分野をリードするデンソーおよび三菱電機からの戦略的出資を受けることが最善の策であると判断しました。戦略的パートナーからの今回の投資によって、当社ではSiC生産能力増強計画を加速化させ、業界におけるリーディングポジションの維持につながると確信しています。同時に、世界のEV市場の爆発的拡大を受けて需要が急増するSiCパワーエレクトロニクス市場向けに、拡張可能な基板の安定供給を実現することが可能となります。」
デンソーの代表取締役社長 林新之助氏は次のように述べています。「SiCウエハ製造において世界トップクラスの実績を持つコヒレントとのパートナーシップを築けることを大変うれしく思います。本出資を通じて、BEVに必要不可欠なSiCウエハの安定調達を実現し、BEVを普及させることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。」
三菱電機の上席執行役員(半導体・デバイス事業本部長)竹見政義氏は次のように述べています。「近年、脱炭素社会の実現に向けた電気自動車の世界的な需要拡大に伴い、SiCパワー半導体の需要も急拡大すると見込まれています。市場の需要拡大に対応するため、当社は熊本県泗水地区における200mmウエハ新工場棟の建設をはじめとしたSiCパワーエレクトロニクスの生産体制強化に向けた投資を決定しております。今回の出資により、コヒレントとのパートナーシップをさらに強固なものとし、SiCパワー半導体の供給能力向上に欠かせない高品質のSiC基板の安定調達につなげることができることを喜ばしく思っております。」
戦略的背景
市場予測によると、SiCの総獲得可能市場規模は、2022年の30億ドルから、2030年には210億ドルに拡大すると想定されています。これは年平均成長率28%に相当します。
本取引は、コヒレントが20年以上にわたってSiC材料分野をリードしてきたという実績があったからこそ実現したものです。当社は近年、未開拓市場である150mmおよび200mm基板の製造規模を拡大するための投資を積極化させています。
当社は2021年8月に、今後10年間で1億ドルを投入するとのコミットメントを発表しており、過去2年間でSiC向け研究開発に積極的に投資してきました。当社は、総額10億ドルに上る今回の事業投資により、設備投資計画を前倒して加速化してまいります。具体的には、基板およびエピタキシャル・ウエハの製造能力拡張に投資するとともに、今回、戦略的パートナー2社と供給契約を締結したことで、SiC市場におけるリーディングポジションをさらに盤石なものとすることができます。
本取引は利用可能なフリー・キャッシュ・フローを増加させ、資本の優先的配分を実行するために必要な財務および経営上の柔軟性を高めることにつながります。今回の総額10億ドルに及ぶ資金は、SiC事業が将来必要とする資本支出に充てられる見込みです。
昨今の電機自動車の普及や産業インフラの変化を勘案すると、SiCパワーエレクトロニクスは二酸化炭素排出量の大幅削減を通じて環境保護やよりクリーンでエネルギー効率の高い世界へのトランスフォーメーションにも寄与できることが示されています。SiCパワーデバイスに対する需要の急拡大を背景に、コヒレント、デンソー、三菱電機は、持続可能なエネルギー消費と脱炭素化社会に向けた貢献も加速化させてまいります。
本取引に関する追加情報
本取引は2024年第1四半期に完了する予定です。
コヒレントのファイナンシャルアドバイザーはBofA証券とAllen & Company LLC、法務アドバイザーはWachtell, Lipton, Rosen & Katz、Covington & Burling、Sherrard, German and Kellyが務めました。
コヒレントは、本取引について投資家、株式アナリスト、および一般の方々向けに、2023年10月10日(火曜日)午後4時30分(米国東部時間)よりウェブキャストを開催します。ウェブキャストを視聴したい方は、当社ウェブサイト、あるいはこちらのリンクからご視聴いただけます。録画版は、限られた期間中、視聴可能です。
2024年度第1四半期の業績見通し
当社は本日、本年8月15日に発表した2024年度第1四半期の売上見通しを、これまでの10-11億ドルから10.5-10.55億ドルに変更しました。
*1米ドル=150円として計算
コヒレントについて
コヒレントは、材料からシステムに至るまで、画期的なテクノロジーを通じて市場のイノベーターに未来を定義する力を与える会社です。産業、通信、エレクトロニクス、装置組込み市場向けの多様なアプリケーションで、お客様の共感を呼ぶイノベーションを提供しています。ペンシルベニア州サクソンバーグに本社を置き、世界中に研究開発、製造、販売、サービス、流通施設を保有しています。詳細については、coherent.comのウェブサイトをご覧ください。
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