TOKYO, Aug 8, 2022 - (JCN Newswire) - 日本郵船グループの株式会社MTIと、ジャパン マリンユナイテッド株式会社、三菱重工グループの三菱造船株式会社、古野電気株式会社、日本無線株式会社、BEMAC株式会社、一般財団法人日本海事協会(および子会社NAPA Ltd)の7者は、国立大学法人東京大学と令和4年10月1日付で「海事デジタルエンジニアリング」(英語名:Maritime and Ocean Digital Engineering、略称MODE))に関する社会連携講座(注1)を設置します。本講座ではサステナブルな海上物流を実現するシミュレーション共通基盤を構築し、デジタルエンジニアリングを活用した海事分野の技術開発と人材育成を推進していきます。
本講座設置の経緯と狙い
船による海上物流は世界の約80%、日本の99%以上の貨物を運ぶ社会基盤として人々の生活、経済、社会活動を支えています。日本の海事産業は、「世界の脱炭素化の潮流の中での新たな技術開発とその社会実装」、「海運サービス維持のための安全性向上と働き方改革のための自動運航船の導入」、「高度化する船舶の設計・製造プロセスにおける圧倒的な生産性確保」といった解決すべき課題を抱えています。
これらの課題に取り組むための有効な手段として期待されるのが、自動車産業で導入が進むモデルベース開発(MBD、注2)とモデルベース・システムズエンジニアリング(MBSE、注3)です。MBDでは製品やそれを構成する要素の機能をコンピューター上のモデルとして表現し、シミュレーションによって動作を確認するアプローチを取ります。MBDにより、船舶に新しい要素技術を採用する効果について、実運航を想定したシミュレーションの中で繰り返し検証することが可能になります。またMBSEは、社会の変化やステークホルダーのニーズを的確にとらえて、製品を取り巻くシステム全体を俯瞰して表現することで、最適な設計・開発を実現する手法です。MBDとMBSEを利用することで、複雑な船の設計でも迅速に最適化が図られるだけでなく、荷主・運航者をはじめとする幅広いステークホルダーが参加する協調的な開発プロセス「海事デジタルエンジニアリング」を創り出すことができるようになります。
「海事デジタルエンジニアリング」社会連携講座は東京大学大学院新領域創成科学研究科に設置され次世代のサステナブルな海上物流を構築するためのシミュレーション共通基盤(注4)の開発に取り組みます。海事分野のためのMBDとMBSEについて研究教育する拠点を、東京大学大学院工学系研究科をはじめそれら先進的なエンジニアリングの取り組みを進める国内外の他大学や研究機関、それらの活用で先行する自動車、宇宙・航空といった他産業の専門家とも幅広くネットワークを形成して、新技術の開発と社会実装、デジタルエンジニアリングを海事分野に適用する高度人材の育成を目指します。また洋上風力発電や海底資源開発など、海洋の産業利用を促進する分野への展開も期待されます。
なお、令和4年10月4日(火)午後、東京大学・伊藤謝恩ホールにて設置記念シンポジウムを予定しています。日本の海事分野の次世代の技術開発と人材育成を支え、世界をリードするための産学官の結節点として機能するよう取り組んでまいります。
社会連携講座の詳細
設置期間:2022年10月1日から 2027年9月30日まで(5年間)
代表教員:村山英晶(東京大学大学院新領域創成科学研究科海洋技術環境学専攻 教授)
活動内容:海事産業におけるモデルベース開発手法およびシミュレーション共通基盤、脱炭素・自動運航船に関する技術および国際ルールについての研究、国際連携、人材育成
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.mhi.com/jp/news/22080802.html
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