TOKYO, Jul 6, 2022 - (JCN Newswire) - 三菱重工業はこのほど、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(量研)六ヶ所研究所(青森県上北郡六ヶ所村)に、核融合炉を構成する重要機器であるブランケットの安全性を確認・実証するための試験装置群を納入しました。同研究所で開発中のブランケットは、南フランスで建設中の核融合実験炉イーター(以下、ITER)(注1)で計画されている世界初の炉内実環境試験(ITER-TBM計画)において、日本のブランケット試験体(TBM:Test Blanket Module)として使用される予定です。三菱重工は引き続きITER-TBM計画向けブランケット試験体の供給を目指し、核融合ブランケットの開発に取り組んでいきます。
今回納入した試験装置群は、「大面積高熱負荷試験装置」「高温高圧水噴出・漏洩実験装置」「ベリリウム‐水蒸気反応性データ評価装置」「高温高圧腐食試験ループ」の4つの装置から構成され、ITER-TBM計画向けブランケットの開発、安全性確認などを目的とした各種試験で使用されます。ブランケットは核融合炉の内壁を構成する装置の一つで、核融合炉から発生する熱の取出しと、燃料である三重水素の生産・自己充足(注2)を行うために必要となる機器です。
ITER-TBM計画とは、核融合エネルギーの実現に向けた科学的・技術的な実証を目的とした大型国際プロジェクトであるITERにおいて、参加7極である日本・欧州・米国・ロシア・韓国・中国・インドのうち4ヵ国が、独自開発したTBMによる機能実証試験を実施するというものです。ここで得られた実証結果が、将来の商用炉に向けたブランケット方式の優劣に影響することから、TBMの性能・安全性などについて各国が積極的な開発を進めています。日本においては、量研がITER計画の国内機関としてブランケット開発を先導しています。
三菱重工は、ITER向け主要機器であるトロイダル磁場コイル(TFコイル)(注3)について、全19基中5基の製作を受注し、うち4基を出荷済みであるほか、ITER向けダイバータの構成要素の一つである外側垂直ターゲット6基(注4)についても受注、現在製作を進めています。今後も、世界の持続的発展のため非常に重要な技術開発に取り組むITER計画をより積極的に支援し、核融合エネルギーの実現に向けた貢献を続けていきます。
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