TOKYO, Jul 5, 2022 - (JCN Newswire) - 三菱重工業は、台湾公営の台湾電力(台湾電力股份有限公司、Taiwan Power Company:TPC)が台北市近郊で運営するダータン火力発電所(桃園市)の発電設備のうち、3号機から6号機までガスタービン計8台で構成されるガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)計4系列分にわたる大型改造工事を連続受注しました。本改造工事は、発電性能を維持して排出NOx(窒素酸化物)を低減することにより厳しさを増している環境規制に対応する一方、保守・運用(O&M)性の改善により運用効率を高めるのが狙いです。2025年の工事完了を予定しています。
ダータン火力発電所は、台北から西へ約50kmに位置する天然ガス焚きGTCC発電所で、現在建設中の8号機・9号機を含めガスタービン20台で構成され、全設備が完成・稼働すれば総出力約700万kWで台湾最大規模となります。当社は、このうち1号機から6号機までのガスタービン14台を納入。2号機までのガスタービン6台がM501F形、残り8台がM501G形で、今回の工事はM501G形を対象としており、系列単位で順次進めていきます。
排出NOx低減は、燃焼器を空冷式の予混合燃焼器(燃料と空気をあらかじめ混合させる仕組み)に換装することで、局所的な燃焼温度の上昇が抑えられNOxの発生が抑制される効果などによりNOx排出を約60%低減。同時に実績のある最新技術が適用されたガスタービン翼の採用、および当社のインテリジェントソリューションサービスである「TOMONI(TM)」を導入することで、高い発電性能および運用効率を確保しています。加えて、補機の設計・製作・調達・据え付け・試運転なども担当し、フルターンキー方式で工事を行います。
台湾では、旺盛な電力需要に対して供給が追いつかず、需給逼迫状況が続いています。需要ピークに対して、供給力にどの程度の余裕があるかを示す供給予備率を増やす必要があり、ガス火力発電には依然として大きな期待が寄せられています。その一方で、環境負荷の低減策も強く求められてきました。台湾では当局が、エネルギー政策として2025年までに脱原子力発電により、石炭火力発電比率30%、GTCC発電比率50%、再生可能エネルギー比率20%の目標を掲げており、発電設備の低NOx化・高効率化対応ニーズも高まってきました。こうした事情を受けた今回の商談では、当社の低NOx燃焼器技術や、既存GTCC設備の納入実績を踏まえた高性能・信頼性などが高く評価され、受注に至りました。
三菱重工は、TPCからの受注を弾みとして、IPP(独立電力事業者)を含めた台湾電力業界全体のニーズである低NOx化・性能向上に向けた提案に努めるとともに、受注拡大の試金石ともなる今工事の完遂に全力を挙げて取り組み、台湾における電力の安定供給と環境負荷の低減に貢献していきます。
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https://www.mhi.com/jp/news/220705.html
三菱重工グループについて
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