デジタルトランスフォーメーション(DX)が企業の成長に寄与することは広く認識されていますが、その具体的な影響が社員のやりがいや職場環境にどのように反映されるかについては、まだ明確ではありません。今回、ピー・シー・エー株式会社が実施した調査を通じて、DX推進が社員の情熱や職務満足度に何らかの相関関係があることが明らかになりました。本記事では、調査結果をもとに、DX推進の意義とその影響を解説します。
DX推進を実感している企業の社員の92%以上が、「現在の仕事に情熱を持ち、満足している」と回答しました。一方、DXが十分に推進されていない企業の職員は、その割合が49%にとどまるという結果が出ました。このことから、システムのデジタル化や業務効率化が、社員のモチベーションや仕事に対する満足感に大きな影響を及ぼしていることが推察されます。
加えて、94%の社員が「企業の目標やビジョンに共感し、長く働きたい」と思っています。これは、社員が自社の未来に対して前向きな姿勢を持つことができる環境が整っていることを示しています。一方で、DXが推進されていない企業では、この意識を持つ社員は47%に過ぎず、46ポイントの差が開いています。このように、企業のDX化とそのビジョンへの共感は直接的な相関関係があると言えます。
また、94%のDX推進企業の社員が「職場の上司や同僚と適切なサポートを提供し合えている」と感じている一方で、未推進企業の社員では43%に留まることがわかりました。職場のサポートが充実していることは、社員間の信頼関係を生むだけでなく、自分の意見やアイデアが尊重されることで、仕事のやりがいをさらに高める要因となります。調査では、DX推進がされている企業の社員は「現在の仕事のルーチンワークの割合は20〜40%」と感じている一方で、未推進企業の社員は「40〜60%」がルーチンワークであるとの回答が多くありました。このことから、DXの導入が業務の効率化を推進し、社員によりクリエイティブな仕事をさせる余裕を持たせていることが明らかになりました。
最後に、DX推進企業の95%が「大切な人にDX推進が行われている企業を勧めたい」と回答しています。一方、推進されていない企業ではその割合が46%と、49ポイントもの差が見られます。このことは、社員が自らの職場環境に自信を持ち、他者にも紹介したいと思う気持ちが高まっていることを示しています。
今回の調査結果から、DX推進が社員の仕事に対する情熱や満足度に大きく寄与していることが認識されました。デジタル化が進む現代のビジネス環境において、エンゲージメントの向上や職場の快適さは企業の競争力を持続させるために重要な要素であり、経営者は積極的にDXを推進することで、社員のやりがいを引き出す経営戦略を実施すべきでしょう。
【関連リンク】
ピー・シー・エー株式会社
https://pca.jp/
執筆:小松由奈