ITRは、国内のCNAPP(Cloud Native Application Protection Platform)市場規模の推移と予測を発表しました。ITRによると、CNAPP市場の2022年度の売上金額は175億8,000万円で、前年度比21.8%増加しました。2023年度の売上金額は203億円と、15.5%の増加が見込まれています。
クラウドシフトの進展に伴い、設定ミスやポリシー違反による情報漏洩、クラウドサービスやインフラへのサイバー攻撃が増加しており、クラウドセキュリティの需要が高まっています。セキュリティベンダーはソリューションを拡充し、新規参入ベンダーも増加しています。この背景により、CNAPP市場は引き続き成長し、ITRは2027年度までに257億円に達すると予測しています。
CNAPPとは、クラウドアプリケーションのセキュリティを確保するためのフレームワークであり、CSPM(Cloud Security Posture Management)やCWPP(Cloud Workload Protection Platform)、コンテナセキュリティなどのクラウドセキュリティ機能を統合した包括的な製品を指します。CSPMはクラウドの設定や利用状況を監視し、CWPPはクラウド上のサーバ、アプリケーション、仮想マシンなどを監視・保護します。
ITRの藤俊満コンサルティング・フェローは、「クラウドサービス事業者のサービスを安全に使用するにはCSPMが必要であり、自社のアプリケーションをクラウド環境で開発・保守するにはCWPPが必要です。クラウドサービスの普及に伴い、CSPMの利用が増加していますが、今後はユーザー企業がクラウド環境でアプリケーション開発を行う事例が増えるため、CWPP機能を包括したCNAPP市場が拡大すると見込まれます」とコメントしています。
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