
ファーストキッチンがナウキャストの店舗開発DXツール「DataLens店舗開発」を導入しました。AI-OCRや生成AI、人流・決済などのオルタナティブデータを組み合わせ、従来の手作業中心の物件評価を自動化。出店候補の可視化と判断スピードを同時に高め、チャンスロスを防ぐ狙いです。
ファーストキッチンは、Finateグループの株式会社ナウキャストが提供する「DataLens店舗開発」を新規出店戦略に採用しました。これまで同社の店舗開発担当は、不動産会社から届くPDFや各種フォーマットの物件資料を目視で確認し、必要情報をExcelに手動転記して評価していました。こうした作業は大きな工数を生み、物件受信から評価までのリードタイムが課題でした。DataLensはAI-OCRを用いて多様なフォーマットの物件情報を自動でデータ化し、生成AIで項目を正規化することで、情報抽出と整理の工程を大幅に効率化します。取り込んだ全物件は地図上で可視化され、自社既存店データと人流・決済といった3rdパーティのオルタナティブデータを掛け合わせて出店候補の精緻な比較が可能になります。これにより担当者は転記やデータ整理に費やす時間を削ぎ、出店候補の吟味という本来業務に集中できるようになります。
ファーストキッチン店舗開発部の山本氏は、日々送られてくる大量の物件情報をシステムに転送するだけでAIが自動的に可視化・管理してくれる点を評価しています。人流データや決済データを用いた物件評価で出店判断をスピーディーに行えるようになり、チャンスロスの防止にもつながっていると報告されています。さらに、DataLensは「DataLensHub」シリーズの一部として、インテントデータなど複数の3rdパーティデータを活用し、顧客企業の1stパーティデータと組み合わせて分析できる点が特徴です。商圏の「今」を捉えることで、従来の面積や賃料中心の評価に留まらない多角的な判断材料が得られます。
導入による期待効果は明確です。情報抽出やデータ整理の工数削減により、物件評価のリードタイム短縮と判断スピードの向上が見込まれます。結果として出店機会を逃しにくくなり、新規出店戦略の高度化とスピードアップが期待されます。加えて、ナウキャストは生成AIや各種オルタナティブデータを組み合わせた技術基盤を持ち、今後もシステム改善を継続していくとされています。今回の導入は、データドリブンな店舗開発を実務に組み込む一歩となり、飲食チェーンにおけるDXの実践的事例として注目されます。
DataLens導入は、属人的な作業を減らして判断をデータ化する実務的なDXの好例です。継続的なチューニングが進めば、出店戦略の再現性と速度はさらに高まるでしょう。
詳しくは「株式会社Finatextホールディングス」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
