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「ガラケー」で夢をみたあの頃…世界のトップを駆け抜けた伝説のECサービス


モバイル(ガラケー)ECは、消費者の購買行動を変える一大転機となり、様々な企業がその市場で競争を繰り広げてきました。例えば、DeNAは携帯電話向けオークションサイト「モバオク」を2004年に開始し、急成長を遂げ、ヤフオク! に次ぐ規模へと成長しました。また、インデックスは携帯向けコンテンツ配信やEC事業で活躍したが、その後は市場変化に対応できず、2013年に経営破綻を迎えました。ゼイヴェルは、女性向け携帯サイト「girlswalker.com」を展開し、ファッションフェスタ『東京ガールズコレクション』と連動したECビジネスモデルで成功しました。最終的にはファッションウォーカーと統合後、売却されました。これらの企業の事例から、モバイルECの進化過程や競争の激しさが見て取れます。

消費者の購買行動を大きく変える契機となった「EC」。登場から現在に至るまで、どんな進化を遂げてきたのか。前回までモバイル(ガラケー)ECの誕生やテクノロジーについてまとめてきました。今回はでモバイル(ガラケー)ECでの主要企業のビジネスモデルやサービスの特徴をまとめます。【連載第5回:ECの進化とシステムの変遷】

モバイル(ガラケー)ECの代表的プレイヤー

モバオク (DeNA)
DeNAは1999年、パソコンのオークションサイト「ビッターズ」でもって創業。ショッピングモール事業などへと 幅を広げるものの、ヤフオク!を抜けずにいました。

2004年には携帯電話に特化したオークションサイト「モバオク」を立ち上げます。変化が著しいモバイルユーザー向けサービスの特性にいち早く対応していくことで、急激に成長し、モバイルユーザー向けオークションサービスでは業界トップ。インターネットオークションサイトとしても、ヤフオク!に次ぐ日本最大級の規模となりました。

2005年にはKDDIと提携し、auオークションのサービスを提供します。DeNAはモバイル領域が伸びたことを受け、モバイルコンテンツサービス会社へと変貌を遂げていくことになります。その後、2009年にリリースしたゲーム「怪盗ロワイヤル」で大ヒットを記録することとなります。

インデックス
インデックスは、携帯向けのコンテンツ配信事業やEC事業において、幅広いサービスを展開していました。「iモード」公式サイトで、早期より「香水屋さん」、「アクセサリー屋さん」など展開し、モバイルECで活躍していくこととなります。

「香水屋さん」では、ゲームや占い、香水の豆知識なども提供されおり、コンテンツ力・企画力に優れた企業でした。2001年にはジャスダックに上場しています。モバイルにおけるノウハウをもとに、テレビ各局など数多くの大手企業との提携や買収を通じて事業を拡大していきます。映画会社の日活を買収したことでも知られています。しかしながら、モバイルコンテンツ・ECの急速な市場変化や競争の激化、過度なM&Aの末、2013年に経営破綻し、セガに事業譲渡しました。 モバイルECやコンテンツ配信において時代を牽引したものの、急速な業界変化に対応できませんでした。

ゼイヴェル
ゼイヴェルは、2000年から携帯電話で F1層(20~34歳の女性)に向けた、ケータイメディア「girlswalker.com」を提供しました。日本最大級の女性向け携帯サイトとなり、アパレル、化粧品、アクセサリー、香水等の商品販売も手掛けます。2005年より、日本最大級のファッションフェスタ『東京ガールズコレクション(TGC)』をイベント企画し、TGC当日は会場において、携帯電話にてショーで披露されているファッションを注文するクリック&イベントを実行しました。

イベント中の多額の売り上げとともに、モバイル通販の初めての購入体験を後押し、携帯電話でファッションが販売できることに一石を投じることになります。ゼイヴェルは、2009年にファッションウォーカーと統合、ファッションウォーカーは2011年10月にアパレル大手のワールドに売却。TGCを運営していた連結子会社のF1メディアも売却されました。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)
1997年、CCCが、TSUATAYA Onlineを開始。いち早くiモード公式サイト上で通販サービスを開始しCDや書籍を販売しました。TSUTAYA店舗との相乗作用に狙いがありました。例えば会員に新作ビデオの紹介メールを配信と明らかにその作品のレンタル率が高まるというデータが得られていたそうです。

2005年にCCCはインターネット領域に本格参入するために、IMJ(WEB制作)、デジタルスケープ(人材派遣)、デジタルハリウッド(デジタル人材育成学校)の3社を約160億円で子会社化しました。クリック&モルタル戦略を強めます。 TSUATAYA Onlineは、ガラケーECの中で大きな存在感を示すこととなります。

しかし、2010年以降は、スマホへの移行、動画配信サービスの台頭の競争に巻き込まれることになります。その他にも、多数の公式サイトを展開していた、シーエー・モバイルや、共同購入の仕組みで成長したネットプライスなど新しいモバイルEC市場に対して多くのビジネスが誕生した時代でありました。


林雅也

株式会社ecbeing 代表取締役社長
日本オムニチャネル協会 専務理事

1997年、学生時代に株式会社ソフトクリエイトのパソコンショップで販売を行うとともに、インターネット通販の立ち上げに携わる。1999年にはECサイト構築パッケージ「ecbeing」の前身である「ec-shop」を開発し、事業を推進。2005年に大証ヘラクレス上場、2011年に東証一部上場へ寄与。2012年には株式会社ecbeingの代表取締役社長に就任。2018年、全農ECソリューションズ(株)取締役 JAタウンの運営およびふるさと納税支援事業を行う。2020年からは日本オムニチャネル協会の専務理事を務め、ECサイト構築パッケージecbeingの導入サイトは1600サイトを超える。

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