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前提を設計し、世界を書き換える―DG TAKANO高野雅彰が語る「真のDX」と日本の未来


高野雅彰の原点:人生をデザインするための「消去法」と「ギルド」の結成

鈴木: 高野さん、本日はよろしくお願いします。先日のカンファレンスでは満足度97%という驚異的な数字でしたが、今日はその背景にある高野さんの「設計思想」を深掘りさせてください。そもそも、なぜ起業という道を選ばれたのでしょうか?

高野: 実は、最初は「消去法」だったんです 。大阪の町工場の息子として生まれ、家業の技術は誇りに思っていましたが、時代の流れで消えていく工場を見てきて、そのまま継ぐのは違うなと 。サラリーマンもやりたくない、家業も継ぎたくない。じゃあ「自分の人生をどう生きたいか」をゼロから設計(デザイン)するしかないと考えたのが原点です

鈴木: そこで社名を「デザイナーズギルド」とされた。一般的な意匠デザインの会社とは意味合いが違いますよね。

高野: 全く違います。僕にとってのデザインとは、人生や社会の構造そのものを「設計」することです 。当時は個人の尊厳が守られない組織構造に強い違和感がありました 。誰もが妥協せず、互いの夢を助け合える「ギルド」のような組織を作りたい 。その理想を証明するために、圧倒的な「結果」が必要だったんです。

苦闘と突破:節水ノズル「バブル90」が切り拓いた「勝てる土俵」の設計

鈴木: その最初の証明が、伝説的な節水ノズル「バブル90」ですね。開発には相当な苦労があったとか。

高野: 1年間工場にこもって完成させました 。飛行機に乗る当日の夜明けにやっと試作ができたほどです 。ドイツの世界最大の展示会で大反響を得て、日本でも「“超”モノづくり部品大賞」のグランプリをいただきました 。でも、そこから5年間は全く売れなかったんです

鈴木:それはどう突破されたのですか?

高野: 当時の日本企業には「環境投資」という概念がなかった。そこで戦略を再設計(デザイン)しました。「地球のために節水を」と訴えるのをやめて、コスト削減が死活問題であるレストランオーナーへとターゲットを絞ったんです 。これが当たり、倒産寸前から一気に成長軌道に乗りました。技術よりも「誰の、何の課題を解決するか」という土俵の設計が重要だと痛感した経験です 。

プレミスデザインが導く「意思決定」のアップデート

鈴木: 今、高野さんが提唱されている「前提の設計」について詳しく教えてください。単なるモノづくりを超えていますよね。

高野: 僕はレイヤーを上げ続けてきました。最初は「部品」、次は「製品」、そして「人間の行動」の設計です 。水だけで油汚れが落ちる食器「メリオールデザイン」は、洗剤不要で家事を楽にするという「行動の設計」です

鈴木: そして今は、さらに上のレイヤーにいると。

高野: はい。今は「意思決定のデザイン」という、人間の脳の判断基準そのものを設計対象にしています 。今の日本企業のDXが停滞しているのは、技術不足ではなく、経営者の「判断基準」が昭和のままだからです 。OSが古いままAIを導入しても、誤った判断が高速化されるだけです

鈴木: なるほど。「壁に向かってフルアクセル」状態を止めるには、前提となる判断基準を書き換える必要があるわけですね。サウジアラビアのプロジェクトやインド工科大学(IIT)での採用活動も、その延長線上にあるのでしょうか。

高野: まさにそうです。日本の小さな技術でも、前提の設計次第で「世界の水不足を救う鍵」に化けます。IITでの採用も、世界最高の知能をどう活用するかという「システムの設計」なんです

左:株式会社DG TAKANO 代表取締役社長 高野 雅彰氏 右:デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長 鈴木 康弘氏

未来の展望と日本オムニチャネル協会への期待:連合で挑む「日本復活」

鈴木: 高野さんが見据える「2030年の製造業」と、今後オムニチャネル協会と共に仕掛けたいことについて最後にお聞かせください。

高野: 2030年には、人間とデジタルがより高度に融合しているはずです。ただ、日本が生き残るには「誰かの真似」をやめ、自分たちの感性を信じて「誰もやっていないこと」に挑み続けるしかありません

鈴木: 協会としても、高野さんのような突破力のある方と連携したいと考えています。

高野: 協会に期待するのは、単なる勉強会だけでなく、なにか変革する「連合プロジェクト」としてやってみたいですね 。僕が最上段のデザインを行い、各社の強みを組み合わせて「勝てる土俵」を量産する。ワクワクしながら楽しみながら、日本のモノづくりを、そして世界を書き換えていきたいですね 。

鈴木: 具体的で熱いプロジェクトを、ぜひ一緒に立ち上げましょう。本日はありがとうございました!

【関連リンク】
株式会社DG TAKANO
https://www.dgtakano.com/

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