飲食店ドットコムが311店の経営者に実施したアンケートで、夜の一人客は「5%未満」と「50%以上」に二極化。77.4%が歓迎と答え、27.0%は「増えている」と実感しています。
調査概要と店舗側の実情

飲食店ドットコム会員を対象に実施したこの調査で、回答者の74.3%が1店舗運営で、東京は50.2%、首都圏合計では68.8%を占めています。

ディナーにおける一人客の割合では「5%未満」が24.1%で最多となる一方、「50%以上」も21.5%と、存在感が極端に分かれる二極化が明確になりました。

年代・性別では「30〜40代男性」が59.5%で最多、次いで「50代以上男性」47.6%、「30〜40代女性」39.5%と、働き盛りの男女でニーズが高いことが示されました。過去2〜3年の変化では27.0%が「増えている」と回答、59.5%は「特に変化はない」としており、大幅な増加ではないが日常化・定着の兆しがうかがえます。


店側の受け止めは概ね前向きで、77.4%が「歓迎」と回答。その背景には一人客向けの店づくりやメニュー施策があります。実施している対応では「カウンターなど1人で座りやすい席の設置」が61.8%と最多で、「接客・コミュニケーションの配慮」40.9%、「ハーフサイズ等のサイズ変更対応」25.3%などが続きます。
来店動機には仕事帰りや単身者の日常利用、一人飲みの広がり、店内での動画視聴・PC作業、SNS拡散や平日限定のちょい飲みセットといった多様な声が挙がっています。一方で歓迎しない理由には回転率や客単価の低下を懸念する意見もあり、複数名客を優先したいという声が一定数ありました。

今後の見通しでは「現状と変わらない」が48.6%、「増えると思う」が31.1%で、合わせて約8割が現状維持か増加と予測しています。減少予測は5.4%にとどまり、全体として一人利用のニーズは継続すると見られています。
夜の「おひとり様」は店舗での受け入れ策が進む一方、店ごとに割合が二極化しています。今後も約8割の店が現状維持か増加を見込み、対応がビジネス差別化の鍵になります。
詳しくは「株式会社シンクロ・フード」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權