YouTubeは米国時間7月29日、「組み込みの保護機能を拡張する」として、AIを用いてユーザーの年齢を推定する新たな仕組みを導入すると発表しました。AIが行動パターンから18歳未満と判断した場合、そのアカウントには自動的に年齢制限が適用されます。
AIは、検索した動画の種類や視聴した動画のカテゴリー、アカウントに登録された年齢など、さまざまなシグナルを基に年齢を推定します。YouTubeの担当者は、この年齢推定モデルが「アカウントにすでに関連付けられている情報以外の新たな情報を収集することはない」と強調しています。
AIによって18歳未満と判断された場合、ユーザーには通知が届き、年齢を証明するためのリンクが提供されます。その間、YouTubeはパーソナライズ広告の無効化や、スクリーンタイマー、就寝リマインダー、休憩リマインダーといったデジタルウェルビーイングツールの有効化、さらに一部コンテンツの繰り返し視聴の制限といった、年齢に応じた保護措置を自動的に適用します。
これらのウェルビーイング保護機能は2023年から存在していましたが、これまではユーザーが申告した年齢に基づいて適用されていました。YouTubeは、すでに他の地域でこのシステムを試験的に導入しており、これまで良好な結果が得られていると説明しています。
ただし問題となるのは、AIが誤って18歳未満と判断した場合、その修正をユーザー自身が行わなければならない点です。誤って年齢制限が適用された場合、年齢を証明するための確認プロセスを経る必要があります。YouTubeの発表では、クレジットカードまたは政府発行のIDの提出が求められるとされていましたが、担当者によれば、自撮り写真(セルフィー)による確認も可能だということです。これらの手段で年齢を証明できない場合、制限は解除されません。
特に、アカウントに登録された年齢が考慮されることから、18歳前後のユーザーが最も影響を受ける可能性があります。多くのユーザーは政府発行のIDを所持しているかもしれませんが、クレジットカードを持っていないケースも多く、その場合はセルフィーによる確認が現実的な選択肢となるでしょう。
なお、AIによる年齢確認機能を導入したのはYouTubeが初めてではなく、「Instagram」も数カ月前に同様の機能を導入しています。ただし、誤判定の修正をユーザーの責任とする点では、YouTubeが唯一の存在のようです。
詳しくは「YouTube」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松