台風やシステムトラブルで乱れるフライトスケジュール――その度に長時間かかっていた再編作業が、なんとAI搭載の「オペレーション脳」導入で瞬時に完了！ANAと日立が共同開発した日本初の航空業務最適化システムが、混乱を“最適化”に変える現場の実力をレポートします。
AIが実現する“迅速＆最適”スケジュール再構築
今回発表された「Operations Brain」システムは、ANAが保有するフライト運航データと日立のAI・最適化技術を融合。遅延や欠航などの運航障害発生時には、数十億通りに及ぶダイヤ候補を深層学習モデルで瞬時に評価し、最適な振り替え案を数秒で生成します。
従来はオペレーターが手作業で再編工程を調整し、数十分から数時間を要していた対応時間を大幅短縮。機材手配、乗務員シフト、ゲート配置など複数の制約条件を同時に考慮しつつ、影響を最小限に抑える提案が自動で完了します。これにより、乗客の待ち時間を劇的に削減し、運営コストも低減可能に。
ANAは2025年秋からトライアル運用を開始し、2026年度中の全路線展開を目指します。日立は今後、本システムを他航空会社や鉄道、バスなどの交通事業者向けにも横展開し、公共交通ネットワーク全体の“止まらない輸送”を支えるインフラとして育成していく計画です。
詳しくは「All Nippon Airways」および「Hitachi, Ltd.」まで。
レポート／DXマガジン編集部 海道
