手間のかかる医療文書作成が、AIによって一変します。丸紅とUnited Visionが取り組むAI-OCRの実証実験が示す新たな可能性とは?これまでの常識を覆すその実態に迫ります。
医療文書のデジタル化がもたらす変革
日本の医療現場は、長時間労働を強いられた医師たちによって支えられてきました。しかし、最近では医師の健康と医療の持続可能性が深刻な問題として取り上げられています。特に、医師の働き方改革が国を挙げて進められている中、業務負担の軽減が急務となっています。
兵庫県の調査結果によると、医師たちは時間外労働の多くを「カルテ記載」や「会議」といった事務作業に費やしており、これが医療現場でのストレス要因となっていることが示されています。実に、約20~30%の時間が文書作成や会議対応に使われているという事実が明らかになっています。
このような中、株式会社United Vision & Company(UV&C)と丸紅I-DIGIOグループが共同で実施したAI-OCRの実証実験(PoC)は、医療現場における新たな希望を示しています。AI技術を活用し、手書きの医療文書や健康診断個人票など、5種類の文章のデータを自動で抽出・分類する処理フローの構築をことを目的としたこの実験は、効率化を促進するための重要なステップと言えるでしょう。
この実証実験では、OCRエンジンと自然言語処理モデルを組み合わせ、異なる文書フォーマットに対する認識精度や抽出情報の一貫性を評価しました。その結果、AI技術を導入することで、従来の手作業に依存していた医療情報のデジタル化が効率的に行える可能性が確認されました。
AIとクラウド技術の融合によるこの取り組みは、医療の質の向上や患者中心の医療の実現に対するしい道を開くことが期待されています。今後、これらの成果を基に要件定義が進められ、商用化を目指す段階に入っています。
詳しくは「株式会社United Vision & Company」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部