ChatGPTでも苦手とされる「長文ビジネス文書」を正確に解析・構造化できるAI企業Docugamiが、フランスに新拠点を開設しました。設立者はなんとWordの“docx形式”を発明した元マイクロソフト幹部。彼が今、ヨーロッパに賭ける理由とは?
欧州の“知のエンジン”と連携、透明で開かれた文書AIを加速
米国発のAIスタートアップDocugamiが、フランスに新拠点「Docugami Europe」を設立しました。CEOは、XMLやdocx/xlsx/pptxの共同開発者であり、マイクロソフトでオープン技術推進を担ったジャン・パオリ氏。今回の進出は単なる支社開設ではなく、ヨーロッパの研究機関・企業との共創を重視した“知的インフラ戦略”と位置づけられています。
Docugamiは、企業が保有する契約書・報告書・業務手順書などの非構造な長文文書を、独自のLLM・ナレッジグラフ技術で“構造化データ”として可視化・活用できるDocument AI技術で急成長中。
特に注目すべきは次の特徴です:
- オープンソースLLM×独自エージェントによる高精度・透明性の高い解析
- 顧客データの完全所有権保証:「ロックインなし」の思想を貫く設計
- 長文×複雑文書向け最適化:契約書・薬事文書・法務報告などにも対応
- 実行可能なナレッジグラフ生成:分散情報を統合し、業務プロセスを自動化
既に保険・ライフサイエンス・金融・IT・法務など多業種で導入が進んでおり、Docugami Europeでは、欧州のAI研究者や大学との連携、ローカル企業向け支援、フルリモートでの優秀人材採用を推進する計画です。
CEOパオリ氏は「顧客が真に自分の文書データを“所有”できる時代をつくる」とコメント。ChatGPT的な汎用性ではなく、「文書に特化した、業務を回すAI」として独自ポジションを確立しています。
詳しくは Docugami公式サイト まで。
レポート/DXマガジン編集部 海道