香港の老朽ビル1.4万棟、どう守る?――日本の屋内ドローン企業と、香港のAI点検スタートアップが業務提携を発表。屋内外の点検を一括デジタル化する“日港連携モデル”が、アジアのインフラ課題を解決する鍵となるかもしれません。
ドローンが点検し、AIが劣化を検知。「屋内外まるごと可視化」のインフラDXが始まる
ドローンによるインフラ点検で知られる千葉発スタートアップ・Liberaware(リベラウェア)は、香港のAI×ドローン企業「Alpha AI」と業務提携を締結。屋内外の統合型インフラ点検ソリューションの開発に乗り出しました。
香港では建物の老朽化が深刻で、2030年には築50年超の建物が約14,000棟に。政府は点検の義務化を進め、ドローンを活用した「低空経済」にも注力しています。Alpha AIはその戦略企業として、3D画像解析や自動異常検知などの技術を駆使した外壁点検を展開中。一方Liberawareは、世界最小級の屋内ドローン「IBIS2」で、配管や建物内の狭小空間点検に強みを持ち、国交省「インフラDX大賞」にも選出されています。
今回の提携では、以下の3つの軸で協業が進みます:
- 屋内外をカバーする統合型ソリューションの共同開発
IBIS2とAlpha AIの技術を組み合わせ、ビル内外を一体的に点検・可視化。データを3Dモデル化し、AIで自動劣化診断する仕組みを構築。 - 香港政府インフラ事業への参画
行政施設での実証実験や標準化を目指し、点検業務のデジタル化を推進。将来的には日本やアジア全域への展開も視野に。 - 人材交流と技術シナジー創出
エンジニア相互派遣によるスキル連携や、AI解析技術を日本の屋内点検に応用する新サービス開発にも着手。
本取り組みは「人が入れない場所をドローンが調査し、AIが判断する」という次世代インフラ管理の実証モデル。日本の技術が、アジアの都市安全を支える日が近づいています。
詳しくは株式会社Liberaware公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 海道