リスクモンスター株式会社が実施した「就職したい企業・業種ランキング」において、学生たちの就職先選定の傾向が明確に示されました。厚生労働省が発表した2024年の平均有効求人倍率は1.25倍で、依然として「売り手市場」が続いています。この環境下で、学生がどのような意識を持って就職活動を進めているのかを探るため、リスクモンスター株式会社は調査を行いました。今回は調査の結果をもとに、今後の就職活動のトレンドや、企業・業種の人気動向を掘り下げていきます。
調査結果によると、就職したい企業ランキングでは、1位に「地方公務員」(回答率10.8%)、2位には「国家公務員」(同6.9%)、3位には「三井住友銀行」(同3.0%)がランクインしています。特に注目すべき点は、トップ20の企業のうち約半数が前回の調査から入れ替わっていることです。

就職先の選定においては、1位「勤務地」(回答率32.6%)、2位「給与額」(同32.3%)、3位「福利厚生」(同30.5%)という結果が出ました。これまでは「給与額」が長年にわたり1位を占めていましたが、今回の調査では「勤務地」が初めてその位置を奪ったことが特徴的です。学生たちが自分の生活環境を重視し始めていることを示唆しています。また、デジタル時代の影響もあり、リモートワークやフレキシブルな勤務形態が選ばれる企業への関心が高まっています。
文系・理系別に見ると、文系では「地方公務員」「国家公務員」が非常に人気で、理系学生では体系的な知識が活かせる業種が多く選ばれています。特に、男女別においても違いが表れ、男性は機械系製造業や鉄道業に関心が高い一方で、女性は飲食品製造業をより重視する傾向にあります。

今回の調査結果は、地域に強く根ざした企業や安定性を求める学生の意識を如実に示しています。「勤務地」の重要性が高まった背景には、地元への貢献を重視する志向があると考えられます。また、企業も採用活動のトレンドを意識しつつ、学生に対する適切な情報発信が求められます。今後の就職活動の進展に注目が集まります。
詳しくは「リスクモンスター株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松