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データは使ってこそ価値がある! ビジネスや業務と紐づけたデータ活用方法を模索せよ!


日本オムニチャネル協会が開催したセミナーでは、データドリブンな経営の重要性と実践方法について議論されました。データ活用の誤解を指摘した川上陽平氏は、データが単なる数字ではなく、広い視点での情報活用が必要と強調。実際にデータを活用しダイエットに成功した経験も紹介しました。安藤彩子氏は、顧客の購買行動データを活用し、マーケティング戦略の向上を図るパルコの実例を報告。また、データリテラシー向上の重要性にも触れ、全体的なデータ活用の理解が進まない背景を指摘。ディスカッションでは、データの可視化、社員教育、全社的な取り組み体制を構築することが、データドリブン経営成功の鍵であると結論付けられました。

日本オムニチャネル協会は2025年4月16日、定例のDX実践セミナーを開催しました。今回のテーマは「「本当にデータドリブンな人に聞いてみよう!」。データに基づく経営や事業を打ち出す必要性が叫ばれる中、真の「データドリブン」環境について考察しました。

膨大な情報をデータとして管理、運用できるようになった今、データに裏打ちされた意思決定がより求められるようになっています。しかし企業の中には「データドリブンを打ち出せるほどのデータを集めていない」「そもそもデータが散在している」「このデータをもとに意思決定してよいのか分からない」などの課題を抱えるケースが少なくありません。

では、現在の企業経営に求められる「データドリブン」を成功させるためには何が必要か。データをどう管理、運用すればよいのか。

今回のセミナーでは、PETS データ支援部代表社員の川上陽平氏とパルコ 顧客政策部部長の安藤彩子氏がゲストとして登壇。データ活用のプロが、データドリブンの本質について解説しました。

データの必要性を理解し、社員のリテラシー向上が活用の鍵

川上陽平氏は、データ活用の誤解について指摘します。「データ=数字ではない。データ活用とは、単なる数字を使うのではなく、画像や音声といった情報も含まれる」と説明。データ活用を「情報活用」という広い視点で捉えるべきだと強調しました。「情報を活用するという考え方により、データを扱う際のアプローチを広げられる。数字や表を見ただけでは見逃しがちな気付きを得られる効果も見込める」(川上氏)と利点を強調します。その他にも、顧客の行動や感情などの非構造的データも重要な要素だといいます。

写真:PETS データ支援部代表社員 川上陽平氏

データを集めるのが目的ではなく、活用まで見据えて運用する必要性にも言及します。「データの価値を最大化するには、業務で活かすことが何より大切だ。膨大なデータをただ保有するだけでは何の価値もない。収集方法や管理方法にばかり目を向けるのではなく、それらのデータをビジネスにどのように結びつけるのかをしっかり考えることこそ大切な取り組みである」(川上氏)と続けます。

川上氏が実際にデータを活用したユニークな取り組みも紹介しました。同氏は2024年に6週間のダイエットを実施。データドリブンな取り組みが成功に導いたと振り返ります。「毎日の体重を記録するのはもとより、食事で摂取した栄養素までダッシュボードで可視化した。データと日々向き合って成果を追い続けた結果、6kgのダイエットに成功した」(川上氏)といいます。日々の取り組みを振り返れるようにすることでモチベーションを維持・向上できるといい、「目標に向かって突き進む取り組みを後押しするのがデータに他ならない。業務においても当然適用できる」(川上氏)と指摘しました。

一方、安藤彩子氏は顧客理解の重要性を強調しました。パルコでは顧客の購買行動をデータで分析。どの顧客層が高いロイヤリティを持っているかを特定し、その結果に基づいたマーケティング戦略を推進しています。こうした取り組みについて安藤氏は、「顧客を徹底的に理解するためには、購買行動などのデータを活用するのが重要だ。このとき大切なのは、どんなデータを収集すべきかだ。データを闇雲に集めるだけでは、必ずしも活用できない。収集したデータをどのように活用するのかをイメージし、イメージを実現するために必要な対象データを揃えるべきだ」(安藤氏)と指摘します。顧客理解を深めるために必要なデータこそ価値を見出すことができるといいます。なおパルコでは、顧客がどの店舗で買い物をしているのか、どのブランドの商品を好むのかといった情報をデータで把握。これらデータを基に、どの顧客層に対してどのような施策を打ち出すべきかを検討しているといいます。

写真:パルコ 顧客政策部部長 安藤彩子氏

安藤氏はデータを使った顧客のセグメンテーションやターゲティングの重要性も指摘。データ活用により、効果的なマーケティングが可能になることも説明しました。

セミナーでは、企業のデータ活用が進まない理由についてディスカッションも実施。川上氏は、「データに対する企業の理解力不足が活用を阻害する一因となっている。とりわけ中小企業や古くから続く企業にこうした傾向が見られる。データを活用する目的や効果の理解を深めない限り、データ活用は進まない」と指摘します。

安藤氏は理由について、「全社員のデータリテラシー向上が欠かせない。データの重要性を理解するとともに、データをビジネスにどう結びつけるのかをきちんと学ぶことが大切ではないか」と指摘。事業や業務の改善などにデータを役立てるなら、どのデータからどんな傾向を読み取るべきかを業務と関連付けられるようにすべきと強調しました。

写真:モデレータを務めた日本オムニチャネル協会 理事 逸見光次郎氏

ではデータ活用を成功させるポイントは。川上氏と安藤氏ともデータの可視化や定量化、さらには社員のリテラシー向上をポイントして提起しました。全社でデータをどう活用するのかを考えて取り組む体制づくりも必要だと指摘しました。


関連リンク
日本オムニチャネル協会
https://omniassociation.com/

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