医療機関における業務効率化を進めるための重要なツールとして、Web予約システム「やくばと病院予約」が急速に浸透しています。2023年7月にサービスが開始されて以来、初診予約数が2024年11月にはなんと2万件を突破しました。この成果は、医療スタッフの業務負担軽減と患者の受診機会の拡大に寄与していることを示しています。
多くの病院では従来、初診の予約を電話やFAXで受け付けており、特に電話が集中する時間帯には担当スタッフが圧迫されるという問題がありました。そこで、やくばと病院予約は、利用者が24時間365日、自分の希望日を入力して簡単に予約できる仕組みを提供します。予約の確定は院内で調整するため、病院の運用フローに特化した設計がなされているのです。
このシステムを導入した済生会川口総合病院では、初診予約の電話数を大幅に削減でき、スタッフの負担が軽減されたと報告されています。その結果、患者もスムーズに受診することができるようになりました。実際のところ、やくばと病院予約を利用した初診予約の約5割が、一般的な病院の営業時間外である17時から9時の間に行われており、特に働く世代が多く利用しています。このことは、忙しい時期に病院に行くことができない人々にとって大きな利点です。
このように、「やくばと病院予約」は医療機関の業務効率化を促進すると同時に、患者の満足度向上にもつながっています。医療業界におけるデジタル変革(DX)推進は、今後ますます重要な課題となるでしょう。皆が使いやすい医療環境を構築するためには、このようなシステムの積極的な導入が不可欠です。医療のデジタル化を実現し、より良い受診体験を提供するための取り組みが必要とされています。
レポート/DXマガジン編集部熊谷