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C CHANNEL・GILT登壇。アプリ市場展望とアドフラウド対策「Mobile Insights in Tokyo」レポート


モバイルアプリ計測プラットフォーム『Adjust』を提供するadjust株式会社。アプリ市場・競合分析ツール 『App Ape』を提供するフラー株式会社。ユーザー獲得とリエンゲージメントをパフォーマンスベースで提供するLiftoff。この3社によるセミナー「Mobile Insights in Tokyo - アプリマーケティング最前線」が、2018年2月15日に開催された。



ゲストスピーカーに『C CHANNEL』と『GILT』のマーケティング担当者を招き、各社のアプリマーケティングについて語られた。


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『AppApe』で見る各カテゴリのユーザー属性。休眠率がサービス成功のカギ








▲フラー 事業戦略室 室長 岡田 雄伸 氏。





フラー 岡田氏はアプリ市場分析ツール『Ape Ape』で得られたデータから見る、アプリトレンドや今後の展望についてを解説した。



まず提示されたのが、ゲームカテゴリと非ゲームカテゴリにおける2017年の成長推移。








▲青:ゲーム、緑:ビデオプレイヤー、黄:ニュース&マガジン、オレンジ:ライフスタイル、赤:エンターテインメント。





上のグラフはMAU(ユニークではなく累積)の変動。ゲームカテゴリが顕著に減少している一方、その他の非ゲームカテゴリは微増傾向にあることがわかる。



さらにここから各カテゴリーを細かく見ていく。急激にMAUが伸びているアプリがあったり、意外なアプリが多くの人に利用されていたり、興味深いデータが数多く出てきた。



これらのデータを踏まえた上で、岡田氏は休眠ユーザーの重要さを訴えた。リテンション施策などで休眠率を改善していくことが、サービスを成功に導くことができるという。




実データから見るモバイル広告の不正の兆候と対応方法








▲Adjust シニアパートナーシップ マネージャー 菊田 元樹 氏。





モバイルアプリ計測プラットフォーム『Adjust』を提供するAdjustの菊田氏は、モバイル広告における不正について解説した。



有料モバイル広告経由のインストール全体における、不正発生の割合は10~20%。日本においてもかなり増えてきているという。



広告費用の無駄遣い、広告媒体の評価を誤る、計測データにノイズが入る、新規チャネルへのチャレンジがし辛いなど、様々な問題の原因となるため不正を防ぐ必要があると語る。




不正の種類


まず最初に代表的な4種類の不正について説明がされた。



1つ目はかなり数が多いという「クリックスパム」。ユーザーが広告をクリックしていないにも関わらず、大量のクリック情報を無作為に送信。オーガニックユーザーを奪い取る手口である。



ユーザーが画面をスクロールしてバナーを少し見ただけで、本来インプレッションだったものがクリックデータとして送信されるといったケースがよく見受けられるとのこと。



2つ目は海外、特に韓国で多い「SDKスプーフィング」。インストールの判断に使うデータをハッキング、トラフィックを偽装し、なりすましによるインストールを発生させる。最近は日本でも増えてきているそうだ。



3つ目はエミュレーター等を使って、人工的なインストールを発生させる「フェイクインストール」。



最後に「クリックインジェクション」。不正なアプリで他アプリのインストール完了やダウンロード開始を検出。クリックのログを残し、他ネットワークへの花鶏ビューション、オーガニックインストールを奪い取る手口である。




不正を見つけるために注目すべき兆候


次にこれらの不正が発生したとき、どのようにデータへ現れるのかサンプルを見ながら解説された。以下に提示される基準はあくまでひとつの目安であり、不正だと即断言できるものではない点にはご注意を。



クリックスパムで見るべきはCVR(Conversion Rate)。優良媒体では3%以上であるのに対し、不正インストール率の高い媒体ではCVRが0.01~0.03%とかなり低くなっている。



次に挙げたのはSDKスプーフィングが発生したケースの一例。ある日を境にオーガニック、特定のネットワーク経由のインストールが急増。同時にリテンション率、イベントへのアクション率が急低下した。



ログを見たところ、本来存在しないアプリバージョンのデータが見つかり不正と判断したとのこと。








▲クリックインジェクションの兆候。





クリックインジェクションで見るべきは、広告クリックからアプリ初回起動までの時間。極端に短ければ即断定できるという簡単なものではないが、起動時間が数秒から数分のもの中に多くの不正が混在している。




不正の防止方法


こういった不正の数々を抑止するための方法に次の3つがあげられた。



まずは「各広告媒体、ネットワークへのヒアリング」。媒体によってインプレッションやクリックの定義が異なる。しっかりとそれぞれの定義を確認し、それによってどういうことが起こるのかを理解することが重要である。



次に「管理画面データのチェック」。各数値の急激な変化を見逃さないようにしなければいけない。ROASだけを見ているところが多いが、CVRやリテンション率なども併せて見ていくことが大切だという。



最後に「データログの蓄積・チェック」。クリックインジェクションの兆候として挙げられた広告クリックから初回起動までの時間の他に、イベント間のタイムスタンプ、不自然なIPアドレス、SDKバージョン、端末情報などを見ていくことが重要である。



しかしこれらのデータを、全ての媒体に対してしっかりチェックするのは大変な作業になる。そこで菊田氏は『Adjust』の不正防止機能を紹介。











『Adjust』では「匿名IPフィルタリング」「ハイパーエンゲージフィルタ」「ディストリビューションモデリング」「クリックインジェクションフィルタ」「SDKシグネチャー」などの機能を搭載。



不正を検知するサービスは多いが、『Adjust』は検知するだけでなくリアルタイムで除外できるのが特徴である。



Adjust公式サイト




272億円分のアドフラウド被害を未然に防ぐ『Liftoff』








▲Liftoff シニアセールスマネージャー 鶏田 薫 氏。





Liftoff 鶏田氏は『Liftoff』の紹介と、アドフラウド対策について解説した。




インストールしたその先を見つめる『Liftoff』


モバイルアプリDSPとしては最後発の『Liftoff』は、インストール後のエンゲージメントに着目したプロダクトを提供しているという。











提示されたデータによると、24%のアプリが最初の1回しか使われていない。また2週間後も再度使ってくれるユーザーは、9%とかなり少ないそうだ。



広告でインストールを促進しても、ユーザーが残っていなければ勿体ない。だからこそちゃんと使ってくれるユーザーを取っていくというのが『Liftoff』のコンセプト。



アプリ内のイベントに最適化した新規ユーザー獲得や、プロダクトフィードも利用可能なリエンゲージメントによってエンゲージメントを促進しているという。また世界各国への配信も可能になっている。











『Liftoff』のもうひとつの特徴がクリエイティブ。広告主が作った画像をそのまま差し込むのではなく、貰った素材をテンプレートにはめてクリエイティブを作っている。



商品画像をスライドさせたり、アプリ内のUIを見せたり。どういった画像が誰にパフォーマンスが良いかを、検証・最適化している。




アドフラウドの現状と対策


次にアドフラウドの現状と、Liftoffが行っている対策について語られた。



2016年の不正インストールによる損失額は1,100億円。そして2017年には前年の2倍以上の2,800億円と増加傾向にあるという。











さらに興味深い数字も提示された。モバイル広告在庫のうち34%が不正在庫、モバイルアプリ広告費の71%がアドフラウドによって失われている。しかし一方でモバイルマーケターの63%が、アドフラウドへの対策を取っていない。



多数の被害が出ている中で、Liftoffは3つのテクノロジーで不正防止対策をしている。











1つ目がインストール後の最適化。アプリ内のイベントで最適化を行い、場合によってはそこでCPAの課金をしている。



2つ目はデータ量。20億件の不正のないデバイス情報をデータベースに蓄積している。



3つ目は入札リクエストのフィルター。10種類の不正トラフィックを検出し、広告を配信する前に排除するようフィルタリングしている。



Liftoffでは1週間で7,700億の入札リクエストに対し、13.4%の1,030億が排除されているとのこと。金額に換算すると1週間で68億円、1ヵ月で272億円の被害額に相当する数のアドフラウドが、未然に検出されているそうだ。



こういった不正の対策や被害額、どういったデータを見るべきかを真剣に考えていくことが大切だと締めくくられた。



Liftoff公式サイト




アドフラウドにマーケターはどう立ち向かうか


セミナーの最後には、C Channel 鈴木 精介 氏、GILT 橋野 学 氏をゲストスピーカーに迎えてパネルディスカッションが開かれた。テーマは「ユーザー獲得のためのマーケティング施策と新たなアドフラウド対策」。








▲左から、Adjust カントリーマネージャー 佐々 直紀 氏、C Channel マーケティングプロデューサー 鈴木 精介 氏、GILT GROUPE CUSTOMER DEVELOPMENT DIRECTOR 橋野 学 氏、LIFTOFF MOBILE カントリーマネージャー 天野 耕太 氏。






『C CHANNEL(シーチャンネル)』とは


メイク、ヘアアレンジ、レシピ、ネイル、DIYなど、女性向けの情報を届ける動画メディア。タレントや読者モデルなどの「クリッパー」と呼ばれるインフルエンサーが、コンテンツを発信しているのが特徴。



分散型メディアであり、アプリだけでなくFacebook、Instagram、Twitter、LINE、YouTubeでも動画を配信している。



















価格
Appstore: 無料
GooglePlay: 無料












『GILT(ギルト)』とは


ラグジュアリー・ライフスタイルを訴求する、会員制のオンライン・ショッピングサイト。会員数は240万人以上。



トップ・ファッションデザイナーズブランドや体験型サービスを、毎日フラッシュセールにて提供している。



















価格
Appstore: 無料
GooglePlay: 無料












アプリ内の売上を上げるだけが重要ではない。ユーザーにあった使い方を


1つ目のテーマは「アプリマーケティングに関する課題」。鈴木氏はユーザーのアプリ所持数について言及した。



一般的にスマホユーザーの入れているアプリ数は10~20個程度と言われている。どのサービスもこの枠を取り合っている状態のため、いかに入り込むかが課題だと語った。



また『C CHANNEL』らしい課題として挙げられたのが「通信」について。20歳前後の若い世代には文字の記事よりも動画の方が好まれているが、20代後半は動画視聴にかかる通信量を気にしている人が多いという。



動画の時代が来ると言われてはいるが、世代間の課題はまだまだあるとのこと。











橋野氏が意識しているのは、アプリの役割について。



プチプラのショッピングアプリと異なり、ハイブランドを多く扱っている『GILT』では、少し調べてから購入に至るケースが少なくない。素材感がわからないものなどは、パソコンの大きな画面でよく見てから購入する人も多い。



そのため『GILT』ではアプリにシフトすることでアプリ経由の売り上げを増やすことは重視しておらず、それぞれのユーザーやシーンに合わせた使い方をいかにしてもらうかを試行錯誤していると語った。



『GILT』では、リサーチした後に通知を受けてアプリで購入する、もしくは隙間時間にアプリで見つけてパソコンで購入するといった使われ方をしており、パソコンだけではカバーしきれない時間の隙間をアプリで埋めているという。アプリを併用しているユーザーの方が、LTVが高いという結果も出ているとのこと。




広告の定義をしっかり理解することがアドフラウドの対策になる


次の議題は「アドフラウドの対策」について。天野氏によるとマーケターがアプリの評価軸をしっかり決めておくことが大事だという。



マーケターによって重要視するデータは異なるが、それぞれがアプリ内の行動をイベントとして設定して注視していれば、アドフラウドの対策もスムーズに行える。逆にそこを曖昧にしておくと、被害が大きくなると説明した。



その点『C CHANNEL』では以前から、URLのパラメータにメディアIDを振ってチェックしていたと鈴木氏は語る。Adjustの管理画面を毎日見ていれば、極端な数値が出たときにすぐ気づくことができる。メディア側から嫌がれることも多いが、精査するためにしっかり行うことが大切だという。



このようなアナログな対策をずっと行っていたため、『Adjust』の不正防止機能を導入してもアドフラウドが当初の想定よりは検出されず、比較的健全な運用がされていたことが改めてわかったそうだ。



アドフラウドはいつどこから、どのように発生するか予測が難しいため常に対策が必要になる。このようなアナログ対策をずっと行うことは非常に手間がかかるが、『Adjust』を使えば負担を大幅に軽減しながら正確な分析データが得られる。そうすると新しいメディアにもチャレンジする余裕が生まれると佐々氏は付け加えた。











パネルディスカッションの後半では、鈴木氏がビュースルーコンバージョンについて言及。アプリではまだまだビュースルーの定義が、ネットワークごとに違うのが現状。



クリックスルーコンバージョンとビュースルーコンバージョンを同一指標で評価したり、一見コンバージョンが多くあがっているように見えても、実は中身はビュースルーコンバージョンだらけになっていたり。



代理店の担当者もちゃんと理解していないケースもあり、マーケターは広告の定義をはっきりさせなければいけない。ビュースルー率やそれが本来正しいビュースルーコンバージョンなのかを把握した上で、管理していくことが大切だと語る。



業界の膿を出すようにかなり踏み込んだところまで話され、参加者たちは興味深く聞き入っていた。











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