愛犬が犬見知りになった原因
愛犬の犬見知りを改善したいと考えているのであれば、まずはなぜ愛犬が犬見知りになったのか、その原因を見つけることが近道になるはずです。
犬見知りになる原因には、主に下記の3つがあると言われています。
- 遺伝
- 社会化不足
- 過去の経験
遺伝の場合の特徴は、どんな犬に対しても同じように苦手意識を持ち、怖がってしまうということでしょう。この場合、持って生まれた気弱な性質が原因なので、犬見知りを完全に改善するのは難しいかもしれません。
社会化不足というのは、生後3〜12週齢頃までの社会化期に、犬として必要な経験を十分に積めずに犬同士の付き合い方を学べなかったことが原因です。最近は、社会化不足が原因で犬見知りになるケースが多いように感じています。
過去の経験というのは、いわゆるトラウマと言われるものです。過去に他の犬との間でとても怖い、嫌な経験をしたことのある犬が、同じような外見の犬に出会ったり、同じような状況に出くわすとそのことを思い出して、恐怖感が蘇ってしまうというものです。
愛犬が苦手とする犬のタイプは固定されているか、それともどんな犬でも嫌がるのか、また付き合い方を理解していないのかなどを見極めることで、愛犬の犬見知りの原因が分かり、改善策がみつかるかもしれません。
犬見知りな犬がみせる行動
1.上手に挨拶ができない
社会化不足の犬は、犬同士の付き合い方を理解できていないため、上手に挨拶ができません。例えば、自分は相手のお尻のニオイを嗅いだのに、相手には自分のお尻のニオイを嗅がせようとしないとか、相手が嫌がっていることに気付かずにしつこく遊びたがって嫌がられてしまうといったケースなどが挙げられます。
2.固まって動けない
見知らぬ犬を見ると固まって動けなくなるというのは、強い恐怖心から出てくる行動です。元々気弱な性格の犬や、特定の条件に合う犬に出会った時にだけ固まってしまう場合などがあるでしょう。
特に低い姿勢をとったり、目を逸らしながら体の側面を相手に見せたりしている場合は、相手に「降参です!」と攻撃する意思がないことを伝えています。
3.相手の犬に向かって唸ったり吠えたりする
近づいてきた犬に対して唸ったり吠えたりするのは、警戒心から出てくる行動です。警戒して相手に「吠え」ても相手が怯まずに近づいてくると、多くの場合「唸る」という威嚇行動に変わります。それでも相手が近づいてくると突然攻撃に転じることもあるため、そうなる前にその場から連れ去るようにしましょう。
4.逃げたり隠れたりする
他の犬の姿を見て散歩コースを変えようとしたり物陰に隠れようとしたりするのも、相手に対する恐怖心から出てくる行動です。ただ、固まってしまうほどの強い恐怖心ではないでしょう。
5.ストレスサイン(カーミングシグナル)を発している
他の犬に対する苦手意識を、密かに示していることもあります。ストレスサインというもので、急に体を掻き出したり、地面のニオイを嗅いだり、あくびをしたり、口の周りを舐めたりといった仕草です。
喧嘩などの大きな問題にはつながらないかもしれませんが、愛犬が居心地の悪い思いをしていることに変わりはありませんので、きちんと気付いて対処してあげましょう。
犬見知りな犬に友達を作らせるための改善策
何もしないのは無責任
「犬見知りも愛犬の個性なのだからそのまま受け入れ、飼い主と愛犬の間で十分に幸せな暮らしができればそれで良い」という考え方もあるかもしれません。確かに、気弱で臆病な性格の犬に、他の犬との交流を無理強いするのは酷なことです。
ただしその場合も、飼い主さんが察知して事前にすれ違うような状況を回避する等の対処をしてあげることは必要でしょう。
社会化不足の成犬を家に迎えた場合でも、時間をかければ少しずつ社会化トレーニングを行うことは可能です。飼い主さんが病気等で愛犬のお世話をできなくなる、災害等で避難所生活を強いられるなど、将来のリスクを考えるとできる範囲で改善してあげる方が、愛犬のためになるという考え方もあるでしょう。
愛犬のパーソナルスペースを把握する
犬にも「これ以上近づいてほしくない」というパーソナルスペースがあります。他の犬との交流を練習する場合に、愛犬のパーソナルスペースを把握しておくことは大切です。普段の様子から、愛犬が平静でいられる距離を把握しておきましょう。
協力者を見つける
犬見知りの犬をいきなりドッグランなどに連れて行き、不特定多数の犬たちに対面させて「さぁ、挨拶しなさい」と言っても、それは無理な話です。
愛犬と同じような体格の犬を飼っている、協力的な飼い主さんを見つけましょう。できるだけ、しつけの行き届いた穏やかな性格の犬であることが望ましいです。愛犬のパーソナルスペースより少し離れた場所での挨拶からスタートして、少しずつ距離感を縮めていきましょう。
プロのドッグトレーナーに相談する
独自の方法では自信がない、身近に協力してくれる方が見つからない等の場合は、プロのドッグトレーナーを頼ってみましょう。個別レッスンや、自宅に出張トレーニングをしてくれるトレーナーさんもいます。
また、愛犬があまりにも病的に臆病だと感じたら、獣医行動診療科のある動物病院に相談してみるのも良いでしょう。必要に応じて、投薬治療の提案をしてくれる場合もあります。
まとめ
犬見知りは、必ずしも問題のある性格だということではありません。元々とても気弱で臆病な犬が、見知らぬ犬と仲良くするのはとても苦痛なことでしょう。また犬の友達がいなくても、飼い主さんと幸せに暮らしている犬もたくさんいるでしょう。
しかし犬見知りが原因で、相手の犬やその飼い主さんにケガをさせてしまうなどのトラブルが起きたり、将来起こるかもしれないリスクを考えた場合、愛犬の犬見知りを少しでも改善しておいた方が、愛犬にとっても幸せかもしれません。
飼い主さん一人では難しくても、身近な犬友さんやプロのドッグトレーナー、動物病院など、頼れる人や先輩犬を見つけて、少しでも愛犬が楽に暮らしていけるようにサポートしてあげられると良いですね。
■関連記事
・大型犬が大騒ぎしたら、先輩の小型犬に怒られてしまい…見た目とは裏腹な『まさかの光景』が可愛すぎると82万再生「気まずそうで草」「爆笑」
・『心を閉ざしていた子犬』を保護→愛情たっぷりに育てた結果…感動的な『現在の様子』に「たくさん幸せになって」「大切に育ててもらったね」の声
・犬が玄関から離れないときの心理
・犬をマッサージをしていたら『まさかの助っ人』が登場→あまりにも『尊くて優しい時間』が16万再生「お姫様」「最高のリラックスタイム」と絶賛
・犬に依存してしまう人が持つ5つの特徴