犬の難聴について知っておきたいこと
犬も人間と同じように聴力が低下することがあります。しかし、犬の難聴は、進行して初めて気付くことが多く、愛犬がどのような状況か把握するためには知識と注意が必要です。
犬の難聴は、先天性や後天性、また伝音性や感音性など、さまざまなタイプが存在し、それぞれに異なる原因があります。今回は、犬の難聴の種類とその検査方法について解説します。
難聴のタイプ・種類
犬の難聴は、原因や発症時期、音の伝わり方によってさまざまに分類されます。難聴には「先天性」と「後天性」があり、さらに「伝音性」と「感音性」に分けることができます。これらの違いを理解することは、愛犬の状態を適切に把握するための第一歩です。
先天性難聴
先天性難聴は、生まれつき聴力が欠如している状態で、犬においては多く見られるタイプの難聴です。特に生後3〜4週の段階で発症することが多く、片耳または両耳で聴力が欠如している場合があります。
遺伝子の変異が主な原因とされ、特定の犬種では遺伝的に難聴を引き起こしやすい傾向があります。特に、ぶち柄の犬、たとえばダルメシアンなど、特定の犬種でよく見られます。
後天性難聴
後天性難聴は、犬が成長した後に聴力を失う状態を指します。原因としては、耳の病気や感染症、事故、老化などが挙げられます。
- 耳炎: 外耳炎や中耳炎が慢性化することで、聴力に影響を与えることがあります。
- 耳毒性: アミノグリコシド系抗生物質やシスプラチン、フロセミドなどの薬剤が原因で、耳の中の細胞にダメージを与え、聴力が低下することがあります。多くは、薬の使用後数週間以内に現れるため、投薬時には獣医師と相談し、副作用を確認することが重要です。
- 老齢性難聴: 犬で比較的多く見られる難聴の原因の一つです。高齢になると、耳の一部の機能が老化して聴力が低下することがあります。12歳以上の犬に多く見られ、時間をかけて徐々に進行します。老化に伴う聴力の低下は、外的な原因ではなく、耳の内側の機能が衰えていくことが原因です。
伝音性難聴
伝音性難聴は、音が耳の内側に伝わる過程に問題がある場合に起こります。外耳から中耳の部分で音の振動が正常に伝わらないと、音を感じることができなくなります。例えば、耳の中に水や耳垢がたまり、音が正常に伝わらなくなることがあります。また、耳の鼓膜や耳小骨の障害も原因となることがあります。
感音性難聴
感音性難聴は、音を感じる機能、特に内耳(蝸牛)や聴覚神経に異常がある場合に発生します。音を捉える能力が失われてしまうため、音が耳に届いても、それを脳が認識することができません。
感音性難聴は、耳の構造的な問題ではなく、音を感じ取る神経の働きに関わる機能の障害です。特に、高齢犬や耳毒性のある薬剤の使用後に見られることがあります。
難聴の検査
犬の難聴を診断するためには、適切な検査を行うことが必要です。人間と違って、犬は「聴力が低下している」と自覚することができないため、飼い主がその兆候に気づき、専門的な検査を受けさせることが必要となります。
聴性脳幹誘発反応(BAER)
難聴の診断には、聴性脳幹誘発反応(BAER)検査が使用されます。この検査では、耳に音を入れ、脳がその音に対してどのように反応するかを測定します。
具体的には、音が耳に入ると、聴覚神経を通じて脳に伝わりますが、その伝達経路の反応を電気的に記録する方法です。この検査を行うことで、伝音性難聴か感音性難聴か、またその程度を正確に測定することができます。
ただし、BAER検査は麻酔が必要であり、実施できる施設が限られているため、検査を受けるためには事前に対応できる病院を確認しておくことが大切です。
まとめ
犬の難聴は、先天的な原因や後天的な原因により発症します。先天性難聴は遺伝的な要因が多く、後天性難聴は耳の病気や老化、薬剤の影響などが関係しています。
犬の難聴の診断にはBAER検査があり、これは麻酔を必要とするため、対応可能な病院で実施することが必要です。早期に診断し、適切なケアを行うことが愛犬の生活の質を守るためには重要です。
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