間違ったベッドの選び方
犬の平均睡眠時間は12時間~15時間くらいです。シニア犬になると、平均睡眠は18時間前後で、1日のほとんどを寝て過ごすことが多くなります。
くつろぐときも、寝るときも、ベッドで過ごす時間が多くなるシニア犬だからこそ、愛犬の負担にならないベッド選びが重要になります。
間違った選び方をしてしまうと、安心してくつろぐことができなくなったり、落ち着いて眠ることができなくなったりし、適切に体を休めることができなくなることがあります。
シニア犬になった愛犬の体や行動に変化を感じ始めたら、ベッドを使う様子もよく観察してみてください。
使いづらそうだな、寝心地が良くなさそうだな、などと感じることがあれば、ベッドが合わなくなってしまっている可能性があります。
1.底が薄いベッド
ふちの部分はふかふかなのに、底の部分が薄いベッドであると、ほとんど床に寝ていることと変わりありません。
体重を分散させづらいため、体に負担がかかりやすく、床ずれの原因にもなりやすいです。
以前、筆者の飼っていたシニア犬が、底の薄いベッドを使っていたとき、体重がかかる部分の血行が悪くなり、筋肉が壊死し、傷口からの出血が止まらなくなってしまったことがありました。
お気に入りのベッドであったため使っていましたが、底の薄いベッドは、飼い主が思う以上にシニア犬の体に大きな負担を与えるようです。
底の薄いベッドでも、お気に入りで長年愛用し続けているベッドなのであれば、マットレスの上にベッドを置くなどし、シニア犬の体の負担を減らす対策をするとよいと思います。
2.ふかふかでやわらかいベッド
ふかふかでやわらかいベッドは、シニア犬がつまずきやすく、立ち上がることや寝返りをすることが難しいベッドです。
まだ見た目には分かりづらいこともありますが、シニア犬の筋肉は確実に衰えます。高齢になればなるほど、踏ん張る力が弱くなるため、つまずきやすくなったりするのです。
そして、ふかふかでやわらかいベッドは、体が沈み込むため、呼吸がしづらくなることがあります。
ふかふかでやわらかいベッドの方が体に負担がかかりにくそうに感じますし、寝心地もよく気持ち良さそうに感じられるかもしれませんが、“体が沈み込み過ぎない程度”のやわらかさのベッドを選ぶことが必要です。
3.ドーム型・キューブ型・ハウス型のベッド
潜り込むタイプのベッドは、隠れ家のようで犬が好みそうなベッドですし、囲まれることで暖かそうですよね。
しかし、出入口に高さがあるものはシニア犬がつまずいてしまいやすいデメリットがあります。筋肉の衰えから、手足を十分な高さまで上げることが難しくなるためです。
また、ベッドの中に入ったとき、寄りかかろうとして転倒してしまうこともあります。囲われていることで、壁があるように見えてしまうのです。
潜り込むことが好きな愛犬なのであれば、ケージやサークルの中にベッドを入れ、大きめの布で覆ってあげるとよいでしょう。
まとめ
シニア犬の負担になってしまう間違ったベッドの選び方を3つ解説しました。
- 底が薄いベッド
- ふかふかでやわらかいベッド
- ドーム型キューブ型ハウス型のベッド
シニア犬になると警戒心が弱まったり聴力が衰えたりするため、飼い主が帰宅しても起きて来ないほど、ぐっすり眠ってしまうことがあります。
そうすると、長い時間寝返りを打たずに眠っていることになるため、体の片側にだけ負担がかかり続けることがあります。
そんなシニア犬の体の負担を減らすためにも、ベッドの選び方も慎重になり、ベッドを使う愛犬の様子を見ながら判断することが大切です。
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