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犬の認知症が進むとあらわれる症状3つ 飼い主が知っておくべき対処法までご紹介


1.生活が昼夜逆転する

ソファで寝ているレトリバー

犬の認知症が進んでくると、徐々に生活リズムに変化が見られるようになります。

特に多いのが、夜眠らずに昼間にぐっすり眠り続けるといった「昼夜逆転」です。飼い主さんが起きている昼間にはほとんど活動することなく、夜になって家の中を歩き回ったり遊びだしたりと活動を始めます。

この状態は、昼間だから眠っているというわけではなく、単純に昼夜の区別がつかなくなっていることが考えられます。

老犬になるとどうしても活動量が減り、眠っている時間が増えますが、犬が昼夜関係なく眠ったり活動したりすることで、生活リズムがどんどんずれていってしまうのです。

2.徘徊する

歩いている老犬

老犬が家の中で落ち着かない様子でウロウロと歩き回ることがあれば、それは「徘徊」という認知症の症状かもしれません。

若い犬でも「楽しいことはないかな」「おいしいものは落ちていないかな」などと考えながら、家の中を歩き回ることはありますが、徘徊の場合はアテもなく歩き続けているだけです。

特に、「旋回」といって同じ場所をグルグルと回り続けていたり、狭い場所に入り込んで出てこれなくなったりする様子が見られたら要注意です。

老犬になると方向感覚や空間認知能力が鈍り、体を転回させることができなくなったり、障害物を避けられなくなったりします。

3.無駄吠えや夜鳴きが増える

吠えている柴犬

老犬の昼夜逆転が始まってしばらくすると、今度は「夜鳴き」をするようになることがめずらしくありません。さらに、夜だけでなく時間を問わず吠え続けることが増える傾向にあります。

夜鳴きや無駄吠えが増える原因はひとつではないと考えられています。

老犬になると不安感が増したり体が思うように動かずつらい思いをしたりすることがあり、心細さから吠えることが増えるともいわれています。

また、感情のコントロールができなくなり、ちょっとしたことで吠えるようになってしまうこともあります。

飼い主が知っておくべき対処法

飼い主夫婦と散歩する大型犬

ではここからは、今回取りあげた犬の認知症の症状ごとの対処法について確認しておきましょう。

『生活が昼夜逆転する』場合

老犬の昼夜逆転状態を防ぐためには、日中にできるだけ活動させて、生活リズムを整えることが大切です。

老犬になると聴覚や視覚が衰えたり、周囲への関心が薄れたりすることから、散歩や遊びに興味を持たなくなってしまうことがあります。

「年をとって体力がないから」「犬が遊びたがらないから」と、老犬になると散歩に行かなくなってしまう飼い主さんもいますが、これは認知症の進行をはやめる大きな要因です。

日中に散歩に行って日光浴をさせたり、家の中でもこまめにスキンシップやコミュニケーションをとったりして、活動量を増やしてあげてください。体に負担がかからない程度に疲労感を感じさせることで夜スムーズに眠れるようになることが期待できます。

『徘徊する』場合

犬が家の中で「徘徊」や「旋回」をするようになったら、犬が怪我をすることがないように生活環境を整えてあげましょう。

ぶつかる可能性のある角にガードをつけたり、柔らかい素材のマットを使って安全に歩き回れる場所を用意してあげたりしてください。

また、狭い場所に入り込んでしまわないように、サークルやゲートなども活用しましょう。

『無駄吠えや夜鳴きが増える』場合

犬が夜鳴きをすると、飼い主さんも眠れなくなったり近所迷惑を心配してストレスを感じたりして、ノイローゼになってしまうことがあります。

そのような場合は、獣医師に相談すると犬用の軽い睡眠薬や安定剤を処方してもらえることもあります。強い薬ではないため、完全に解消されるとは限りませんが、飼い主さんが倒れてしまう前にぜひ相談してみてください。

また、認知症の症状による吠えは、叱らないようにしてください。多くは犬が不安や恐怖を感じて吠えているため、飼い主さんに叱られることでさらに強いストレスを抱えてしまいます。

まとめ

休んでいるレトリバー

犬の認知症は、小型犬では10歳頃から、大型犬では8歳頃から見られるようになっています。その後数年をかけて徐々に症状は進行、末期になると若い頃とは別犬のような様子になることもめずらしくありません。

しかし、認知症を発症してからも適切な接し方をすることで、症状の進行を遅らせたり、ストレスを軽減させたりすることはできます。

大切な愛犬が認知症になって、飼い主さんも困惑したり悲しい思いをしたりすることがあるかもしれませんが、どうか愛情を持ってスキンシップやコミュニケーションを続けてくださいね。


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