犬が人を咬む強さレベル
犬が人を咬む強さにはレベルがあり、6段階に分けることができます。
ほとんどの犬にレベル1~レベル2程度の咬みつきが見られるのですが、飼い主による適切なしつけで十分に改善することができるレベルであると言えます。
レベル3以上になると、飼い主では手に負えない場合も多く、ドッグトレーナーなど、プロの訓練を受ける必要性が高まります。
また、咬みつきレベルの高い犬ほど、人と暮らすことは難しいと言えます。あなたは愛犬の咬みつきレベルを把握されていらっしゃるでしょうか。
動物行動学博士、獣医師、ドッグトレーナーとして知られる、イアン・ダンバー氏が考案する『犬の咬傷事故査定基準』をもとに、犬が人を咬む強さレベルを解説します。
愛犬の咬みつきレベルはどれくらいなのか、どのように対応するべきなのか、ぜひ一緒に考えてみましょう。
咬みつきレベル1
人に「咬みつかれるかと思った…」と感じさせるのが、犬の咬みつきレベル1です。
犬は、人を威嚇するとき、咬みつくフリをすることがあります。実際に咬みつこうという意思はありません。
人と遊んでいるとき、腕や脚に咬みつくフリをすることがあります。これも犬の咬みつきレベル1に含まれます。
対処が必要なレベルとは言えませんが、犬の警戒心や興奮を煽るような態度や行動をしないようにしましょう。
咬みつきレベル2
「咬みつこう」という意思はありませんが、人の皮膚に犬の歯が触れてしまうことがあるのが、犬の咬みつきレベル2です。
遊んでいる最中に歯が当たってしまった、ということがあります。人の皮膚にミミズ腫れができたり、すり傷による出血が見られたり、怪我を負う可能性があります。
対処が必要なレベルではありませんが、他人に怪我を負わせてしまうと厄介です。トラブルの原因になりかねません。
興奮すると甘噛みすることがある犬の場合は、甘噛みに対するしつけを行う、興奮させないようにする、興奮したら落ち着かせる対応をするなどしましょう。
咬みつきレベル3
「咬みつこう」という意思を持って人を咬むのが、犬の咬みつきレベル3です。
犬の歯の半分ほどが、人の皮膚に食い込むほどの傷ができます。手を噛みつかれた瞬間、思わず引いてしまえば、裂傷を負います。
人を傷つけようという気持ちがあるわけではありません。人の手が怖くて思わず咬んでしまった、嫌なことをされることから逃れようと咬んでしまった、などの理由があります。
トリミング中、診察中や治療中、飼い主によるグルーミング中に起こる可能性が高いと言えます。しつけや訓練による再発防止が必要なレベルです。
咬みつきレベル4
犬の咬みつきレベル4では、人に咬みついたまま放そうとしません。犬の歯の半分以上が、人の皮膚に食い込みます。
また、人に咬みついたまま放そうとせず、咬みついたまま犬が頭を振ることがあります。このとき、人の皮膚に裂傷を負います。
動物行動学博士であるイアン・ダンバー氏は、咬みつきレベル4以上の犬の飼い主は、犬のプロフェッショナルでなければならないとしています。
つまり、一般人が咬みつきレベル4以上の犬と暮らすことは困難であるということです。
愛犬の咬みつきレベルが4以上であるときは、訓練士やドッグトレーナーなど、プロによるしつけや訓練を受けさせるべきです。長期戦となるでしょう。
咬みつきレベル5
執拗に咬みつくのが、犬の咬みつきレベル5です。放すことはあっても、再び咬みつきます。犬の歯が深く刺さったことによる刺し傷や裂傷を負います。
飼い主にできる対処は、訓練士やドッグトレーナーにしつけや訓練を依頼するということ意外にないと言っても過言ではありません。
咬みつきレベル6
動物行動学博士であるイアン・ダンバー氏が考案する『犬の咬傷事故査定基準』によると、咬みつきレベル6にまで達してしまった犬は、安楽死の対象となる可能性があるとしています。
人が死亡するレベルであるということです。「殺める」という強い意思を持って咬みついている可能性が非常に高いと言えます。
まとめ
今回は、犬の咬みつきレベルを6段階に分けて解説しました。あなたの愛犬の咬みつきレベルはどれくらいなのか、知ることができましたか?
犬が人に咬みつくのは、自分自身の命を守るためなのではないでしょうか。
愛犬の咬みつきレベルを上げてしまわないためには、「人は自分自身の命を脅かすような存在ではない」ということを理解してもらう必要があります。
子犬は甘噛みをします。甘噛みをするようになった瞬間から、「人を咬んではいけない」ということを教えるためのしつけを始めましょう。
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