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犬がする『仮病サイン』5つ どんな行動をする?本当の体調不良を見極める方法まで


愛犬の仮病は何のため?

ごはんを食べない大型犬

愛犬が仮病を使っているのではないかと感じた経験を持つ飼い主さんは、少なくないでしょう。ただし犬の場合、「病気のふりをしている」という認識はないと考えられているため、仮病という表現はあまり正しくありません。

犬は、過去に経験したこととその結果を結びつけて記憶します。そして「嫌な思い」をした行動は避け、「良い思い」をした行動を積極的に行うようになります。

例えば、缶を開ける音が聞こえるとご飯をもらえると思って喜び、飼い主さんが酒臭いときには近寄らなくなるというような具合です。

仮病のように見える行動も、理由は同じです。病気やケガをして飼い主さんに優しくされたことを覚えていて、寂しくて優しくしてほしい、かまってほしいときに、そのときの症状を再現してみせるのです。

とはいえ、安易に「仮病だ」と決めつけてしまうと、本当の病気やケガを見落としてしまうかもしれません。

そこで今回は、犬がする「仮病サイン」について解説します。仮病か病気かを見極める方法、そして愛犬に仮病を使わせないための配慮ポイントなどもあわせてご紹介します。

犬の仮病のサイン

片足をあげて元気のない柴犬

では、犬がする「仮病サイン」にはどのようなものがあるのでしょうか。飼い主として、見極められるように確認しておきましょう。

1.足を引きずる

愛犬が、足を引きずったりよろけたりして、まるで足をけがしたように歩いていることがあります。特定の脚だけを地面につけず、上げたままにしていることもあるかもしれません。

心配して動物病院に連れて行き検査をしても「異常なし」と言われたり、時間が立つと痛がっている足が変わっていたり普通に歩けるようになっていたりして、「仮病?」と気付くことになります。

2.悲鳴を上げる

突然甲高い声で「キャン!」と悲鳴のような声を上げることがあります。

まるでどこかにぶつかったり、高いところから落ちたりしたような悲鳴です。慌てて駆け寄ってみると、足などを舐めているかもしれません。

しかし様子を見ていると、痛そうな様子もなく普通に歩き始めて「仮病だったのかも?」と気付くことになります。

3.動かなくなる

散歩の途中で急に立ち止まり、動こうとしなくなることがあります。うずくまって元気がなさそうなので、仕方なく抱っこをして帰宅すると、途端に元気になり、走り回ったりジャンプしたりして、「一体何だったの?」ということになります。

もしかすると、愛犬が嫌いな場所に行こうとしていることに気付かれてしまったのかもしれません。

4.何も食べない

いつもはよく食べているご飯やおやつを、突然拒否して食べなくなることがあります。

「食べて!」と声をかけたりトッピングをしたり別のフードに変えたりと、さんざん世話を焼くと、食べ始めるかもしれません。

5.食べたものを口から出す

飼い主さんの眼の前で、食べたものを吐き出してしまうことがあります。

えずいたり苦しそうな様子がないと、ご飯が腐っていたのかと驚いてしまう飼い主さんもいるでしょう。

しかし、よく調べてもご飯に問題がない場合は、飼い主さんの気を引くための行動である可能性が高いです。これも、飼い主さんから見ると仮病に見える行動のひとつです。

本当の体調不良を見極める方法

突然吠える犬

愛犬が見せているサインが「仮病サイン」なら良いのですが、場合によっては本当の体調不良の場合もありますよね。

最終的な判断は動物病院にお願いするとしても、明らかに仮病ではなく体調不調だと見極める方法があります。

初めての行動か

犬の仮病は、飼い主さんの気を引いたりかまってもらったりするために見せる、過去の行動の再現です。

そのため、初めて見る行動の場合は仮病ではなく、本当に体調を崩している可能性が高いでしょう。

時間が経っても変化がないか

仮病かもしれない行動が見られた後、しばらくしても様子が変わらなければ、本当に体調を崩している可能性が高いです。

例えば、飼い主さんが目を離していると普通に歩く、時間が経ったら引きずる足が変わっていたというような場合は、仮病である可能性が高いでしょう。

好きな言葉やモノを与える

愛犬が具合の悪そうな様子を見せたときに、「お散歩に行こうか」「おやつ食べる?」「引っ張りっこしよう」などと、愛犬が喜びそうな言葉をかけたりモノを見せてみましょう。

仮病の場合は、急に元気になるかもしれません。

安易に「仮病」と決めつけてはいけないケースも

しばらくしたら普通に歩けるようになった場合でも、仮病ではないケースもあります。

股関節脱臼の初期症状は、軽い脱臼と自然治癒を繰り返しながら悪化することが多いため、「仮病だ」と決めつけてしまうと症状を悪化させてしまうかもしれません。

また、好きなものを見せたら元気になった場合も、痛みや具合の悪さを上回るほど喜んでいただけで、体調不良や痛みを抱えている可能性もゼロではありません。

病気やケガを見落とさないよう、しっかり確認し、心配な点があれば動物病院で診てもらいましょう。

愛犬に仮病を使わせないための配慮ポイント

愛犬とスキンシップする飼い主

前述のように、仮病か本当の体調不良かの見極めは、ベテラン飼い主さんでもなかなか難しい場合もあります。

そのため、できれば愛犬に「仮病サイン」を使わせない方がありがたいですよね。

そこでここからは、愛犬に仮病を使わせないための配慮ポイントについて解説します。普段からの配慮で、無駄に「仮病サイン」を見せたりしないように習慣づけましょう。

叱らないこと

仮病だったとわかっても、決して叱りつけてはいけません。仮病を叱られても、犬はその理由を理解できません。

また、叱られたのを「かまってもらえた」と勘違いしてしまう場合もあり、この場合は逆効果になってしまいます。

スキンシップの時間を増やす

犬の仮病の原因は、寂しくて飼い主さんの愛情を欲していることが多いです。在宅勤務から通常勤務に変わって家にいない時間が増えたとか、忙しくて愛犬と遊ぶ時間が減ったといったことが原因になっているかもしれません。

普段からスキンシップの時間をしっかりと取るように心がけ、愛犬を寂しがらせるような状況になったときは、より積極的にスキンシップの時間を増やす努力をしてあげましょう。

苦手なことはトレーニングで克服

通院や歯磨きなど、苦手なことを避けるために仮病をするケースもあるでしょう。その場合は根気よくトレーニングすることで、「嫌い」なことを「好き」なことに変えるようにしてあげましょう。

自宅トレーニングが難しい場合は、ドッグトレーナーなどに相談することも考えましょう。

まとめ

診察される犬

愛犬の「仮病サイン」を見極められるのは、普段から愛犬をよく観察している飼い主さんだけです。

しかし、飼い主さんも完璧ではありません。仮病なのか本当の病気やケガなのかに迷った場合は、躊躇せずに動物病院で診てもうことをおすすめします。


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