️犬が「気象病」になっているときの症状とは
季節の変わり目、天候、気圧の急激な変化によってなんらかの体の不調が発症することが「気象病」と呼ばれ、知られるようになってきました。これは正式な病気の名前ではなく、気圧や気温の変化によって自律神経が乱れた結果起こる症状の総称として使われます。
気圧とは大気の圧力で、一般的に高気圧の時はお天気が良く低気圧の時は雨や雪などでお天気が悪くなります。周囲の地域との気圧の差が大きくなればなるほど風が強くなり、逆に気圧の差が小さいと風が弱くなります。この気圧に動物の体は影響を受けているのです。
人間の場合、自律神経が乱れ血圧が急激に上下することで頭痛や倦怠感が発生したり、不安感に襲われたりすることがあります。内耳が気圧の変化に敏感な人の場合、わずかな気圧の差にも反応して、自律神経の乱れが発生するようです。
同様に『犬の場合も、気圧の急激な変化が原因で、自律神経の乱れが発生する』と考えられています。
犬の場合、気象病となっていてもはっきりと「具合が悪い」とアピールすることができません。そもそも正式な病名でなく自律神経の乱れによる不調の総称なので、はっきりとした不調としてはあらわれないかもしれません。
ただし、犬の場合は次のような症状が多いと言われています。
愛犬がいつもよりおとなしく飼い主に甘える仕草が多かったり、普段なら活動しているはずの時間にじっと眠っていたりする場合は、体調が良くないサインです。明らかな不調の部位がわからなくとも、なんとなくいつもと違う様子で、少々不安な印象です。
また、狭いところや暗いところにこもろうとしていたり、逆にパンティングをしながらウロウロと落ち着きなく動き回っている場合も、どこか具合が悪いサインでしょう。食事を残したり、普段より水を飲んでいたりするのも不調のサインであることが考えられます。
また持病がある場合、気圧の変化で持病の症状が悪化して発現することがあります。
てんかんがある犬の場合は、気圧が急激に変化する前後や季節の変わり目に発作を起こすことがあるので注意が必要です。また、呼吸器が弱い犬の場合は、咳や痰が増えて呼吸が荒くなります。さらに、ヘルニアや関節炎がある犬の場合は、痛みが強くなる傾向があるようです。
️気圧の変化で体調を崩しやすい犬とは
これらの気象病の症状は、人間同様犬の場合も個体差があります。
人間の場合もどんな人が気象病になりやすいかとは一概に言えないものですが、傾向としては男性より女性、大人より10代の子どもや高齢者の方が自律神経が乱れやすい傾向があるため、発症しやすいと言われています。
また、偏頭痛が出やすい人や乗り物酔いしやすい人も気象病になりやすい傾向があるそうです。
犬の場合、大きな音が苦手な子、幼齢犬、高齢犬、てんかんや水頭症などの持病がある犬が気圧の影響を受けやすいと言われています。環境の変化が苦手な犬も、同様に自律神経が乱れやすいため、影響が出やすいようです。
持病がある場合や下痢、嘔吐、いつもとは違う異常行動などが見られた場合は、すぐ動物病院を受診しましょう。それ以外の「なんとなく不調っぽい」という症状であれば、半日ほど様子を見ていても構いません。
やがて気圧の変化に自律神経が慣れてくると、症状が落ち着くようになります。
いずれにせよ、「気象病」は天候という自然現象が原因なので、対策することが難しい症状です。
しかし最近では、天気予報や気圧計などのアプリを使って事前に「気圧の変化がありそうだ」と予測をし、体調が変化しやすいタイミングを把握することで症状を軽減させてあげることはできます。
また、持病がある場合はお薬を増やしておく、安心して潜り込める寝床を家の中に複数用意する、などの対策をしてあげましょう。
️まとめ
気圧の変化は人間でも辛いものです。愛犬が特に大きな病気でもないのにいつもと違う様子であれば、ひょっとすると気圧が関係しているのかもしれません。
様子が変わっているタイミングをメモして、天気や気圧の変化と関係しているようであれば、その不調は「気象病」と言えるかもしれません。
犬は体調が思わしくないと、眠って自力で回復させようとします。そのため、静かな部屋の安心できるスペースを確保してあげることが大切です。
そこで休んでいるときは、飼い主はなるべく干渉せず、そして過度に甘やかさず、ゆっくりと休めるように見守ってあげましょう。
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