1.帽子やサングラスなど顔を隠すもの
犬が警戒心を持ちやすい服装として、つばの広い帽子やサングラス、マスクなど顔の広範囲が隠れてしまうものが挙げられます。
犬は人間の表情を見て感情を読み取る能力を持っていると考えられています。そのため、とくに目元が隠れてしまうと、犬は人がどこを見ているかわからず、感情も読み取りにくいので不安を感じやすいのです。
全面が隠れてしまうフルフェイスのヘルメットも、犬は警戒心を持つことが多くあります。
新聞配達や配送をしている人のなかには、このようなタイプのヘルメットをかぶっている人も多いので、たとえ配達等の用事があって訪問してきた人であっても、フルフェイスのヘルメット姿で自宅敷地内に入ってくると、犬はより強い不安と警戒心を持ちやすいのです。
2.レインコートやウィンドブレーカー
犬の散歩のときに汚れにくいウィンドブレーカーを着たり、雨の日にレインコートを着たりすることはめずらしくありません。
しかし、これらの服は素材によってはカサカサ・バサバサといった音が鳴りやすいので、犬は怖がることがあります。
このような音を嫌がっている場合、犬は飼い主さんと距離を取ろうとする様子が見られます。
音に敏感な犬の場合は、このようなものに対する社会化もおこなっておくことをおすすめします。レインコートもウインドブレーカーも日常生活で出会う可能性が高いものなので、その度に怖い思いをすることがないように、しっかり慣らしておいてあげましょう。
3.全身黒い服
犬の視覚では、基本的に「青」「黄」「グレー」の3色を認識していると考えられています。それ以外の色はグレーの濃淡に見えているようで、細かい色の識別はできません。
そんな犬の目から見ると、黒い服に身を包んでいる人は遠くにいると見えにくく、近づいてくると圧迫感を感じやすいことから、恐怖を感じる対象となりやすいようです。
とくに全身黒っぽい服装の人は警戒心を持たれやすいため、黒やダークグレーなどのスーツを着ている人を警戒して吠える犬は少なくありません。
4.傘や杖を持っている
傘や杖などの細長いものを怖がる犬もいます。そのような長い棒状のものが、故意ではなくてもぶつかった経験があったり、近くで振られて驚いたことがあったりすると、それ以降も怖がるようになることがあります。
棒状のもので叩かれるなどの経験はなくても、犬は長い物を本能的に怖がることがあります。また、傘を広げるときのバサッという音と広がり方を怖がる犬も少なくありません。
必要以上に驚かせないように、傘や杖、バッドなど、日常生活で見かける機会のありそうなものには社会化の一貫として慣らしておくといいでしょう。
5.ボーダーやストライプ柄の服
1997年に論文発表されたもののに、「柄に対する犬の反応」に関する実験があります。そこでは、ボーダーやストライプ、水玉、無地など、複数の種類の柄を着た人に対する犬の反応を確認しています。
その結果、着ている人の性別を問わず「1cm幅のボーダー柄の服」に対して、最も強い警戒心を見せる犬が多いことがわかりました。その他にも「4cm幅のボーダー柄の服」や「1cm幅のストライプ柄の服」にもやや警戒心を見せる犬がいました。
この理由は明確に解明されていませんが、くっきりと色がわかれたボーダーは自然界にない柄のため、本能的に警戒する傾向があるのではないかと考えられています。
まとめ
犬は人間の行動や様子をよく観察していますが、それは服装や持ち物に対しても同じです。
色や柄については、過剰に配慮する必要はありませんが、サングラスや傘など犬が強い警戒心を持ちやすいものは注意が必要です。
それらのものに警戒心を持つようになると、散歩やお出かけのときに他人に吠えたり怯えたりするようになってしまうこともあります。
そうなってしまわないように、「怖がる必要はない」ということを教えるためにしっかり社会化してあげましょう。
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